【NQNニューヨーク=川上純平】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一心痛いで始まり、午前9時35分現在は前日比84ドル40セント高の4万4332ドル23セントで推移している。11日発表の11月の米消費者物価指数(CPI)は上昇率が市場予想に一致した。米連邦準備理事会(FRB)が来週に追加利下げを決めるとの見方が改めて意識され、買い安心感が広がった。
11月のCPIは前月比で0.3%、前年同月比で2.7%それぞれ上昇した。いずれもダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想と同じだった。エネルギー・食品を除くコアは前年同月比で3.3%の上昇となり、これも市場予想通りだった。
FRBは17〜18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。市場では、CPIの結果を受け「物価上昇圧力は根強いものの、追加利下げを妨げるほどではない」(CIBCキャピタル・マーケッツのアリ・ジャフェリー氏)との見方が広がった。市場の一部ではCPIが上振れしてFRBの利下げ見送り観測が強まるとの懸念があっただけに、主力株には見直し買いが入りやすい。
もっとも、ダウ平均の上値は重い。トランプ次期米大統領による関税強化などの政策もあり、インフレ率が高止まりするとの懸念がある。来年の利下げペースを巡る不透明感が投資家心理の重荷となっている。
ボーイングやセールスフォース、エヌビディアが上昇している。アマゾン・ドット・コムも高い。半面、ユナイテッドヘルス・グループの下げが目立つ。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)とトラベラーズも安い。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発して始まった。6日に付けた最高値(1万9859)を上回る場面がある。
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