日本被団協のノーベル平和賞受賞にあわせ、ノルウェーの首都オスロでは高校や大学で被爆講話が行われ、被爆者は現地の若い世代に「核兵器廃絶に向けた行動を」と呼びかけました。
このうちオスロ大学では、日本被団協のノーベル平和賞受賞を記念したフォーラムが開かれました。
テーマは「核兵器の脅威にどう立ち向かうか」。
2歳のとき、長崎で被爆した医師の朝長万左男さん(81)は広島の被爆者・小倉桂子さん(87)と登壇しました。
長年、被爆者医療に携わる朝長さんは「原爆の放射線の影響は生涯にわたって続く」と核兵器の非人道性を指摘。
そのうえで若い世代に、自分達の問題として核兵器の廃絶に向けた行動を呼びかけました。
朝長万左男さん(81)
「核のない世界を実現する責任を自覚してほしい。ただ待っていてはいけない。私たち(被爆者)の努力は一定の成果をもたらすだろうが、若い世代は 自分たちだけで核のない世界を作るべきです。若い世代は核兵器国、非核兵器国の枠を超えて連帯すべきです」
日本被団協の代表団のうち横山照子さんを含む3人は、オスロ市内の高校で生徒約300人を前に被爆体験を語りました。
横山さんは、爆心地から約4km離れた自宅で被爆し、ほとんどを病床で過ごした妹・律子さんの写真を手に「体や心や希望を失わせる原爆は地球上に一発もいらない」と訴えました。
日本被団協 横山照子 代表理事(83)
「(妹は)44歳で亡くなったけど、妹の死を(通して)原爆の被害はあのときだけではなく人間の一生をだめにするんだと皆さんに知っていただきたい」
現地の生徒は(17)
「個人的な被爆者の話を聞いたのは初めてだった。核兵器が被爆者にどれほどの影響を与えるのか理解した」
参加した生徒たちは、交流の時間が終わっても被爆者に声を掛け、核兵器廃絶への思いを共有していました。
代表団は現地時間の12日早朝にノルウェーを発ちました。
長崎から参加した田中重光さんと横山照子さんは、13日に長崎市内で帰国会見を開く予定です。
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