◆4月総選挙での与党大敗は「不正のせい」
尹氏は戒厳宣言について「憲法の枠内で大統領権限を行使」したと正当化。中央選挙管理委員会の捜査が目的の一つだったと明かし、選管のシステムが北朝鮮のハッキングを受けたとの情報などを根拠に、与党が大敗した4月の総選挙で不正があったとの認識を示した。
韓国の尹錫悦大統領（2023年撮影）
公職選挙法違反など複数の裁判を抱える最大野党「共に民主党」の李在明（イジェミョン）代表に関して「有罪判決が迫り、早期の大統領選を行おうとしている」と主張し「野党の議会独裁に対抗し、自由民主主義と憲政秩序を守ろうとした」と強調。戒厳宣言は「巨大野党の反国家的な悪事を国民に知らせる」ための警告的なもので、内乱罪にはあたらないと訴えた。 談話を受けて韓氏は12日の党会合で「内乱罪を事実上、自白する内容だ」と指摘。「尹氏に進退を党に一任する考えが全くないことを確認した」として、尹氏の自主的退陣を求めてきた方針を転換し「職務停止のため、弾劾しなければならない」と明言した。 韓氏は会合で弾劾反対の党方針を変えるよう提案したが、承認は得られなかった。ただ、韓国メディアによると7人の与党議員が賛成の意向を示しており、聯合ニュースは「あと1人（賛成が）追加されれば、弾劾訴追案可決の可能性がある」と報じた。党は同日夜、緊急倫理委員会を開き、尹氏の除名などを検討するとみられる。 野党は12日に再提出した弾劾訴追案で、尹氏の戒厳宣言が内乱罪に該当すると改めて訴えた。当初は11日に提出する予定だったが、文言調整などのため延期していた。 ◇◆与党事務所前に置かれた葬儀用花輪 国民の不満はピーク
韓国の国会に12日、再提出された尹大統領の弾劾訴追案を巡り、与党「国民の力」が極度の混乱に陥っている。党の会議で代表...残り 924/1848 文字
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