シリアでは、反政府勢力が独裁的なアサド政権を崩壊に追いやり北西部イドリブ県を実効支配してきた統治機構のリーダーが暫定首相に任命されました。
ロイター通信は、暫定政権がアサド政権時代の憲法や議会を一時、停止する方針だと伝え、どのような統治が行われるのか、依然、不透明です。
こうした中、隣国トルコの情報機関のトップがシリアの首都ダマスカスを訪問したとトルコのメディアなどが報じました。
アサド政権と対立し、一部の反政府勢力への支援を行ってきたトルコとしてはシリアへの関与を強めておきたい思惑があるとみられ、暫定政権側とどのようなやりとりがなされるか対応が注目されます。
一方、イスラエル軍はアサド政権が保有していた兵器が反政府勢力に渡るのを防ぐためシリア国内での空爆を繰り返し、12日、防空システムに深刻な損害を与えたなどと主張しました。
イスラエルとシリアの緩衝地帯を越えてシリア側にある軍事拠点を占拠したことも明らかにしています。
G7が首脳声明「包括的な政権移行プロセスを支持」
G7=主要7か国は12日、シリアについて、「包括的な政権の移行プロセスを支持する」とする首脳声明を発表しました。
声明は、「法の支配や人権、少数派の宗教や民族を含むすべての人々の保護を尊重し、宗派にとらわれない統治につながる移行を支援する用意がある」としています。
また、アサド政権が内戦下で使用し、国際的な非難を浴びた化学兵器の確保や廃棄を進めるため、国際機関と連携するとともに、「アサド政権による犯罪に対する責任の追及も重要だ」としています。
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