ウォール街

【NQNニューヨーク=矢内純一】12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6日続落し、15時現在は前日比220ドル00セント安の4万3928ドル56セントで推移している。このところ上昇が目立っていたハイテク株の一角に利益確定売りが出て、相場の重荷となっている。半面、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ継続観測が根強く、下げ渋る場面もある。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は11日に初めて2万台に乗せた。人工知能(AI)に対する需要の高まりが収益拡大を後押しするとの見方からハイテク株の上昇が続いた後で、12日は売りが優勢となっている。ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアやアマゾン・ドット・コムが下げている。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、ソフトウエアのアドビが一時14%あまり下落した。11日夕に2024年9〜11月期決算と併せて発表した25年11月期通期の収益見通しが物足りないとの受け止めから売りが広がっている。

12日朝発表の11月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.4%上昇とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.2%上昇)を上回った。11日発表の11月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想通りだった後で、「インフレ再燃への警戒感から持ち高調整の売りを誘った」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との指摘があった。

そのほかのダウ平均の構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループやキャタピラーが安い。ホーム・デポも下げている。一方、アナリストが投資判断を引き上げたコカ・コーラが高い。IBMも上昇している。

ナスダック総合株価指数は反落している。アルファベットや半導体のマイクロン・テクノロジーが下げている。

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