アメリカ国防総省は18日、中国の軍事動向を分析した年次報告書を公表し、中国が保有する運用可能な核弾頭は、ことし半ばの時点で去年より100発ほど増え、推定で600発以上だと指摘しました。

4年間で3倍近くに増えていることになり、想定を上回るペースだとしています。

核弾頭の数は2030年までに1000発を超え、少なくとも2035年まで核戦力の強化を図るという見通しも示しています。

中国は他国より先に核攻撃をする先制使用はしないと主張していますが、報告書では「台湾での通常兵器を使った軍事作戦で敗北し、中国共産党体制の存続が脅かされる場合は、核兵器の先制使用を検討するだろう」としています。

また、中国の国防費をめぐって、報告書では公表されている額よりも、実際は40%から90%多いと推定しています。

報告書について、中国を担当するチェイス国防次官補代理は、ワシントンで行った講演で「核弾頭数の増加だけでなく、質の向上にも目を向けている。ここ数年、われわれが監視しているのは精密攻撃能力のあるミサイルなど、戦力の多様性だ」と述べ、核戦力の多様化も進めているとして警戒感を示しました。

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