“課題に備え 日米両国民が機会を活用する準備できている”
民主党のバイデン政権のもと駐日大使を務めてきたエマニュエル大使は、バイデン大統領の退任に伴い、来月中旬、離任する予定で、これを前に23日午後、都内のアメリカ大使公邸でNHKの単独インタビューに応じました。
この中で、この3年間の在任期間を振り返って「日米関係は将来の課題に備え、両国民が機会を最大限に活用する準備ができている。すべてを成し遂げたとは言わないが、日米同盟は将来への備えがより充実した」と評価しました。
そのうえで、日本の防衛費の増額や「国家安全保障戦略」の改定などを挙げたうえで「日本の自国防衛への投資は、アメリカにこの60年間で最も重要な安全保障上の変革の1つを促した」と述べ、自衛隊とアメリカ軍の指揮・統制の向上など安全保障分野での日米の連携の促進につながったと指摘しました。
トランプ次期政権との向き合い方について
一方、自国第一主義を掲げる次期トランプ政権の外交・安全保障の姿勢について「予断はもちたくない」としたうえで「多国間の安全保障や外交イニシアチブは、一国だけではなしえない抑止力となる」と述べ、在任期間中に構築、強化に取り組んできた日米韓の3か国や日米豪印4か国、それに日米両国にフィリピンも加えた3か国といった、同志国の連携の重要性を改めて強調しました。
さらに、日本は次期トランプ政権とどう向き合うべきかという質問に対しては「日本にはアメリカ議会の上下両院にわたり支援者がいる」と指摘したうえで「日本は過去5年間、アメリカへの直接投資額で第1位だ。これはトランプ次期大統領にとって特別な訴えとなる」と述べ、日本からアメリカへの投資や現地での雇用創出の実績をアピールしていくべきだと指摘しました。
大統領選ふまえ「民主党の変革が必要」
また、先月のアメリカ大統領選挙で民主党が敗北したことについて、エマニュエル大使は「民主党は取り残された中間層のために闘うという声を失ってしまった。政権を取り戻すためには、ただ『反トランプ』を訴えるだけではだめだ。アメリカのための政党として再び足場を固め、訴えを見いだしていかなければならない」と述べ、民主党の変革が必要だと述べました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。