『ヴィンデビー・パズル』

『ヴィンデビー・パズル』ロイス・ローリー著、島津やよい訳(新評論・2420円)

1952年に独ヴィンデビーで発見された遺体は2000年前の13歳前後の少女で、目隠しをされたまま処刑されたとみられていた。心を痛めた著者は、遺体に名前を与える。本や論文を読み、なぜ若くして死なねばならなかったか、パズルを解くように勇敢な少女の物語をつづる。

ところが、書き上げる前に物語を根底から覆すピースが見つかる。著者は最新の研究成果を踏まえ、後半で別の物語を紡ぎ、執筆の経緯も差し込んだ。ロングセラー「ギヴァー」シリーズで知られる児童文学作家の最新作。対象は10歳以上だが、大人が読んでも先史時代の研究の面白さが味わえる。

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