気球(写真はイメージ)=ゲッティ

 気球による「宇宙旅行」が今夏にも実現する見通しになった。北海道江別市の岩谷技研が自社開発のガス気球とキャビンを使い、高度2万メートルの旅を提供する。6月から滝川市で有人飛行実験を行い、商用飛行に向けた最終確認を行う。

 岩谷技研は、JTB、アサヒビールなどを擁するアサヒグループジャパンと共同し、「オープンユニバースプロジェクト」を進行中。地球の丸みを見ることができる成層圏を遊覧飛行する気球の運航を計画する。パイロットと乗客5人で飛ぶ場合、料金は計約2400万円に設定。乗客を増やすことができるようになれば、費用は1人あたり190万円程度になる見込みだ。

 滝川市は5月29日、住民説明会を開催。有人飛行実験が市内の旧江部乙中跡地で実施されると明らかにし、経緯を説明した。

 市によると、旧江部乙中跡地は、小型人工衛星用エンジンの開発に取り組む「Letara(レタラ)」(札幌市)の研究開発拠点となっている。岩谷技研とレタラの社長がともに北海道大工学部出身で、宇宙関連スタートアップ(新興企業)という縁があり、今回の実験を行うことになったという。

 実験は6月10日以降に月1、2回のペースで実施する。気球は未明に旧江部乙中のグラウンドから離陸し、約4時間かけて十勝平野に着陸する計画だ。天候や風向きなどを考慮しながら試験日を決める。高度2万メートル超での飛行特性や機体挙動、機器動作など本番に向けた最終確認をするという。【横田信行】

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