宮崎市の宿泊税検討委員会(会長・丹生晃隆宮崎大学教授)は20日、ホテルや旅館の宿泊料金に上乗せして徴収する「宿泊税」について「導入することは適当」とする意見をまとめ、清山知憲市長に報告した。税額は「1泊200円が妥当」とした。清山市長は「税を導入することが決まれば、税を支払う利用者、徴収に関わる事業者のどちらにもわかりやすい制度としたい」と述べた。
報告書は、観光が地域活性化や雇用などに与える波及効果に触れ、観光振興に充てる財源の必要性を明記。受益者負担の観点や対象の把握しやすさなどから宿泊税の導入は妥当とした。
宿泊税の使途は「観光振興に資する取り組みに活用する」とした上で、①観光客の受け入れ環境の整備、充実②観光資源の磨き上げ③国内外へのプロモーション――の取り組みが望ましいと提示した。既存財源に振り替えることはせず、使途の公開やチェック機能を設けることも求めた。
税は宿泊施設を営む事業者が徴収する。徴収にかかる事務負担の軽減のため、課税免除や免税点を設けず、税額は一律定額の1泊200円で導入することを妥当とした。事業者への支援金の必要性も指摘した。導入後に振興策効果の検証や、社会変化に合わせた制度見直しも提言。丹生会長は「宮崎の観光の魅力を高めていってほしい」と要望した。
市によると、市内には民泊を合わせた宿泊施設が4月時点で221施設ある。2023年の年間宿泊者(民泊を除く)は221万6000人で、導入すれば約4億円の税収になる見通し。
宿泊税は、自治体が特定の目的のために課税する法定外目的税。市ではパブリックコメントを集めてから、条例案の検討に入る。市議会での審議を経て条例を制定し、総務相の同意を得られれば導入できる。先行自治体の例から、導入までには1〜2年かかる見通し。
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