駅や電車で最も迷惑な行為は「周囲に配慮しないせきやくしゃみ」――。一般社団法人「日本民営鉄道協会」(東京)が発表した「迷惑行為ランキング」で、そんな結果が明らかになった。協会は「新型コロナウイルス禍を経て、周囲への配慮が『当たり前』として浸透したのではないか」と分析している。
協会は1999年から調査し、今年は10~11月に、駅と電車でのマナーに関するウェブアンケートを実施。5314人が回答し、17種類の迷惑行為から最大3種類を選んだ。
協会によると、「せきやくしゃみ」を選んだ人は回答者の50・5%に上り、初の1位に。2位だった前年の33・5%を大幅に上回った。この項目が選択肢に加わった2019年は6位だったが、近年は上昇傾向が続いている。
担当者は、新型コロナ禍から時間がたって電車内でマスクを外す人が増えたものの、感染症に対する不安は続いていると指摘。「近くの人がマスクをせずにせきやくしゃみをすることに、コロナ前より大きな不安を感じる人が増えているのだろう」と話す。
その他の結果は、2位「詰めない・足を伸ばすなど座席の座り方」▽3位「騒々しい会話・はしゃぎまわり」▽5位「扉付近で妨げるなど乗降時のマナー」――など。
4位の「香水、柔軟剤などの強い香り」は前年の7位から急上昇した。担当者は「アフターコロナで電車の混雑率が上がり、人と人との距離が近くなったからではないか」としており、ここでも新型コロナの影響がうかがえる。
また、今年の調査では、訪日外国人旅行者の迷惑行為についても初めて回答を募った。1位は「騒々しい会話・はしゃぎまわり」、2位は「荷物の持ち方・置き方」だった。協会はこうした結果を参考に、今後は旅客のマナー向上のために啓発を図るとしている。【黒川晋史】
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