のどに詰まった!どうする?

では、もしも、目の前で家族や友人がもちをのどに詰まらせたら、どうすればよいでしょうか。

救急救命のプロ、大阪市消防局の立花淳志さんに聞きました。

【参考】
消費者庁の分析では、2018年と2019年の2年間で、もちによる窒息事故で死亡した65歳以上の人は661人。うち、事故発生件数は1月が282件(約43%)、正月三が日が127件(約19%)となっている

(1)声が出ない・せきができないは 窒息のサイン

まず、苦しそうにしている人がいたら、

「強くせき込んで吐き出せますか?」

と声をかけて、吐き出すよう促します。

せき込めず、声も出せない場合は、もちが詰まって窒息している可能性があるので、すぐに取り除く処置が必要です。

近くに人がいる場合は119番通報するように依頼します。

その場に自分しかいない場合は、もちを取り除くことを優先してほしいということです。

(2)「背部叩打法」を試す

最初に背中をたたいて吐き出させる「背部叩打法」を試します。

相手に「今から叩きますよ!」と声をかけてから、手のひらのつけ根部分を使い、相手の肩甲骨と肩甲骨の間を強くたたきます。

立花さんによると、ポイントは「ためらうことなく、強くたたく」こと。

もちを吐き出すまで続けてください。

口に掃除機のノズルを入れて吸い込もうと考える人もいますが、衛生的に問題があり、合併症を起こすリスクがあり、推奨していないということです。

(3)「腹部突き上げ法」を試す

背部叩打法ではもちが出ない場合、「腹部突き上げ法」を試します。

おなかを強く突き上げることで、のどに詰まったもちを吐き出させる処置です。

相手の後ろにまわり、へその少し上に、片手の手のこぶしを当て、反対側の手でこぶしを包むように握ります。

そして、素早く手前上方に引き上げます。

ただ、この方法は妊娠をしている女性や乳児には行ってはいけないということです。

また、内臓を痛める可能性などもあるので、仮にこの方法でもちを吐き出せた場合でも、医療機関を受診してほしいということです。

一方、反応がなくなった場合は、心肺蘇生を行って、救急車の到着を待ってほしいとしています。

また、1人暮らしなど、家に誰もいない時に自身がもちを詰まらせてしまった場合は、近くに住む人に助けを求めたり、119番通報をしたりしてほしいということです。

声が出せず、無言での通報となった場合でも、発信場所が特定できれば、救急車を向かわせることができるということです。

大阪市消防局 立花淳志さん
「のどに詰まったもちは、取り除かない限り呼吸がとまってしまう可能性があるので、『絶対助けるんだ』という強い気持ちで対応してほしいです。もちは細かく切って食べる、食べる前に水分を取ることが大切で、特に高齢の方が食べる時には、周囲の人が見守ってほしいです」

(参考画像)

もちがのどに詰まった時の対処方法とポイントをまとめています。保存して役立ててください。

(12月26日「ほっと関西」で放送)

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