12日午前10時50分ごろ、JR木次線を走行中の観光列車「あめつち」の運転士から、「車輪が空転し、速度が上がらない」との連絡がJR西日本米子指令所に入った。空転を起こしたのは日登(島根県雲南市)―下久野(同)間で、列車は日登まで戻り、運転を取りやめた。雨でレールがぬれたためとみられ、乗客36人はバスに乗り換えたという。

 JR西によると、「あめつち」は2両編成の臨時快速列車として午前8時17分に米子(鳥取県米子市)を出発。終点の出雲横田(島根県奥出雲町)には同11時21分に到着予定だった。

 現場は日登から約1.5キロ、勾配25パーミルの上り坂。線路に砂をまいて加速しようとしたが前進できなかったため、日登に戻った。この列車と折り返しの「あめつち」を含む5本が運休し、約150人に影響が出た。

 「あめつち」は2018年から山陰線の鳥取―出雲市間を中心に運行してきた観光列車。木次線のトロッコ列車「奥出雲おろち号」が昨年11月に運行を終了したことを受け、今年4月から木次線への乗り入れを始めていた。(大野宏)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。