20日、広島ドラゴンフライズは、チャンピオンシップ(CS)セミファイナルで名古屋ダイヤモンドドルフィンズと1勝1敗で迎えた第3戦―。初のファイナルへ向け、大激戦となりました。

天下分け目の決戦の地は、関ヶ原ならぬ、名古屋城近くのドルフィンズアリーナ。安芸国の毛利か、尾張名古屋の徳川か。広島ドラゴンフライズは、アウェイの地に乗り込みました。

広島ドラゴンフライズ 朝山正悟 選手
「最高の景色を見るためにきょう、なんとしてもチーム一丸となって、ここまで来たら気持ちと気持ちのぶつかり合いだと思うので」

ファイナル(25日から)は、朝山の地元・横浜で開催。故郷に錦を飾ることはできるのか―。

ファン
「応援しています。勝ってほしいです。ケリー・ブラックシアー(のシャツ)を着ているので活躍してほしいです」

名古屋には、ドラゴンフライズの親会社NOVAの本社があり、50人以上が駆けつけました。

ファンたち
「3・2・1、勝ちじぇけー」

広島ドラゴンフライズ カイル・ミリング ヘッドコーチ
「ゲームのスタート、入りが大事だよ。今シーズンはすばらしいシーズンを過ごしたけども、変えることは何もない」

広島ドラゴンフライズは、第1クォーターからいかに強度の高いディフェンスを出来るかが勝負の鍵を握ります。

スターティング5は、ニック・メイヨ に代えてディフェンスのいい ケリー・ブラックシアー・ジュニア を起用。序盤、激しいディフェンスでこの3連戦で初めてスローな展開に持ち込むことに成功します。

この日は3ポイントが好調で、まずは ドウェイン・エバンス が口火を切ると、メイヨ、山崎稜 が連続で3ポイントを決めて一気にリードを広げます。

強度の高いディフェンスから 中村拓人 がスティールに成功、速攻できっちり決め切ります。さらにエバンス、またまたメイヨが3ポイントを沈め、課題の第1クォーターを10点リードで終えます。

しかし、第2クォーターに入ると名古屋の 須田侑太郎 がさく裂。3ポイントを4本も決められ、あっという間にリードがなくなってしまいます。

それでも、好調のメイヨが3本目の3ポイントを入れ返し、なんとか3点差で後半へ―。

第3クォーターは、覚せいした山崎が自信を持って放った3ポイントを連続で決めます。さらに、ここからギアを上げたエバンスがアグレッシブに攻めて、次々と得点。

それでも、名古屋が反撃。3ポイントを6本決められ、ついに逆転を許してしまいます。

しかし、残り4分を切って、またもや同点の大激戦! ここで、再び山崎。ディープな位置からの3ポイントが決まり、ドラゴンフライズ、リード。

残り2分余り、エバンスが勝負どころでしっかりリバウンドを確保、その勢いで3ポイントを決めてリードを5点に広げると、その後もエバンスが立て続けにリバウンドを確保し、相手の攻撃を防ぎます。

とどめは山崎。3試合連続2けたの19点目は2ポイント。残り30秒余りで決定的な7点差をつけた広島ドラゴンフライズが逃げ切って、球団創設10年で初の快挙、チャンピオンシップファイナル進出を決めました。(名古屋D 73-79 広島)

喜ぶ選手たち
「1・2・3、勝ちじゃけー!」

広島ドラゴンフライズ 中村 拓人 選手
「いやあ、ファイナルですね。本当にこのチーム、最高ですね。まだ来週もあるので、朝さんや良さん、いろんな人のために全力でがんばりたいと思います。レッツゴー、ドラゴンフライズ!」

船生誠也 選手
「・・・」

ドウェイン・エバンス 選手
「疲れた。危なかった」

朝山正悟 選手
「本当になかなかゆっくりさせてくれない。でも、最高ですね。これで横浜行けるし。シーズン始まる前に『最高の景色が見れたら、こんな幸せなことはない』と言ったとおり、最高の景色を見るチャンスがもう目の前に来たので取ってきますよ。いえー!」

カイル・ミリング ヘッドコーチと加藤&西谷アシスタントコーチ
「ツー・モア・ウイン(あと2勝)」

名古屋のファンたち
「広島、広島」
「何が何でも勝って来いよ」

広島のファンたち
「名古屋、最高。ありがとう」
「1・2・3、ファイナルも勝ちじゃけ-」

  ◇  ◇  ◇

坂上俊次 アナウンサー
このことの重大さ、わかりますか。

渕上沙紀 アナウンサー
わかっています。わたしもきのう、試合を見ながら最後までわからなかったじゃないですか。最後の4分で同点70対70になったときにどうなることかと…

坂上俊次 アナウンサー
平たく言うと、週末が甲子園の決勝、日本シリーズ第5戦からスタート、ぼくにとってはワールドシリーズっていう状況なんです。

青山高治 キャスター
ここまで来ました。

坂上俊次 アナウンサー
われわれ、簡単に報道で「朝山さん、最後だから。1試合でも長く。朝山さんのために」って言いますけども、話を聞くと複合的なものだそうです。▽「朝山さんのために1試合でも長く」も1つ、▽「寺嶋良選手がけがをした。そのぶん、がんばろう。中村拓人ががんばる」も1つ、▽「最後の最後までがんばってワイルドカード1位で通過した」のも1つ。いろんな要素が1つになって、こういうことが同時に起こることがなかなかない。われわれは歴史的な瞬間に立ち会っているっていうことなんです。

青山高治 キャスター
いろんな奇跡・ミラクルの積み重ねを今、見ているんですね。

坂上俊次 アナウンサー
朝山選手本人は、「いろんな勝っている要素が絶対必要で、その要素の1つに自分のことがあればいい」と言っていました。

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