かつてのパの新人王・高橋礼(28)が巨人移籍を機に完全復活へ向かっている。きっかけは新たな出逢いとひとつのアドバイスだった。

失意の19年パリーグ新人王

アンダースロー右腕は17年ドラフト2位でソフトバンクに入団。プロ2年目の19年に12勝6敗の成績で堂々のパリーグ新人王に輝いた。ところが翌20年から成績は右肩下がりに遂には22、23年は0勝でシーズンを終えた。大きな怪我があった訳ではなかった。「新人王に輝いた姿を取り戻したい」と、もがけばもがくほど、勝利から遠ざかった。
高橋礼:
僕はマウンドで緊張しないタイプだったんですけど、それがこの2、3年はすごく緊張するようになってしまって、ストライクゾーンに投げる事が出来ない。いろんなメンタルの本とか知識を入れましたけど、やっぱりマウンドに行くと活かされない…色々ありますけど、活躍してた時の自分と重ね合わせたり、やってきた事が間違いじゃないんだっていう証明をしたい自分っていうのがすごく大きくて、、これが失敗したら、今までの努力が水の泡になるんじゃないかっていう怖さが大きかったですね。

巨人・阿部監督からの魔法の言葉

復活のきっかけをくれたのは昨年オフにトレードで移籍した巨人・阿部 慎之助監督(45)の存在とアドバイスだった。
高橋:
阿部監督に代わって、まず秋のキャンプにまずしっかり結果を出してやってくれれば、先発の6枚に入れるというふうに言ってくださったいうのもありますし、キャッチャー出身の監督ですので、ピッチャー心理もすごく分かっているし、キャッチャー心理も分かっているっていう所で『真ん中でいいから、打たれたら次行こう』って、打たれたらそのボールを反省すればいいっていう風に考える事ができたのがすごく転機になったかなって思います。

真ん中でいいから、打たれたら次行こう

まずはキャンプから取り組み方を変えていった。

転機は阿部監督からの言葉『真ん中でいいから、打たれたら次行こう』


高橋:
どうしたらマウンドで余裕を持って投げられるかっていう所をすごく勉強したり実践したり、70点でいいからどんどんストライクを突っ込んで行って、その中にもちろん100点があったり、50点があるかもしれないけど、それも、“次のボール、次のボール“”という風に考えるようになって積極的にストライクが取れるようになりました。

1086日ぶりの勝利後も「どんどん向かっていく」

緊張の呪縛はすでに解けていた。今季、3月31日最初の登板では6回無失点の好投。続く二度目の登板となった4月7日、7回1失点で1086日ぶり、3年越しの勝利を手にした。
高橋:
あまりそこを意識していなかったというか、本当にそれまでにあそこのマウンドで結果を出すっていうことが大変だったので、ここでの1勝の嬉しさというよりは、よしこっから1年間戦っていこう、戦っていくんだっていう気持ちになりましたね。

取材した上村彩子キャスターとは千葉・専修大学松戸高校の先輩後輩の仲

異彩を放っていたアンダースロー右腕が完全復活へ、まずは結果を残し続け、指揮官へ恩返しを果たす意気込みである。
高橋:
とにかく粘ってどういう環境をどういう状況でも常に自分は自分なりの事を間違える事なく目標を達成するつもりでいますし、とにかく向かっていく、ストライクゾーン中でどんどん勝負していくっていうところが自分の良さであり、自分の見てほしいところかなって思います。

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