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体操・男子団体は先月、パリオリンピック代表が決定しました。橋本大輝選手(22)のケガが心配されますが、本人は「いまはパリ五輪で最高のパフォーマンスをするために治療に専念しているが、何も焦りはない、これも普段から良い練習を積んでいるから」とのこと。東京五輪メンバーや初代表も含む史上最強のメンバーで挑みます。

■世界最強レベルのメンバーで金奪還へ

今回、パリオリンピックを決めた5人について、水鳥寿思監督は「それぞれが本当に世界レベルというか、世界で勝てる力を違う形で持って、レベル的には最強のメンバー」と話します。

そんな世界最強レベルのメンバーが目指すのはただ一つ、前回大会の東京オリンピックでわずか0.103点差で逃した金メダルの奪還です。

日本はあと一歩の差をどう戦って埋めるのか。チームを牽引(けんいん)するのはもちろん、絶対的エースの橋本選手です。

松岡さん
「(今回のチーム)パッと見た時に、大輝選手にはどう見えていますか」 橋本選手
「個人総合で強い選手が2人いるっていうことは、すごくいいことなんですよ。岡選手は6種目どこを見ても穴がないというか」

橋本選手が名前を挙げた岡慎之助選手(20)とは、一体何者なのでしょうか。

先月の代表選考会では、橋本選手がけがで欠場するなか、6種目で安定した演技を見せ、実力者たちを抑えて初優勝。二十歳とは思えない落ち着きで、初代表をつかみ取った新星です。

橋本選手
「体操はきれいですけど、まだ伸びしろはある。普段の練習からもっと失敗しないというか、安定感が高まるようなアドバイスをちょこっとかけるだけで、失敗しなくなるんじゃないかなと思っている」 松岡さん
「勝ってほしいけど、ライバルでもあるわけですよね。(アドバイスを)言うんですか?」 橋本選手
「言います、言います。負けることはないです。僕は勝ちます。自信はあります」

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■金メダルへのラストピース!岡選手

■金メダルへのラストピース!岡選手

では、岡選手自身は持ち味をどう捉えているのでしょうか。 松岡さん
「何が一番の力ですか?」 岡選手
「オールラウンダー。6種目満遍なくできるっていうのは自分の強みで、エース的な存在ですかね、橋本選手に次ぐ」 松岡さん
「次ぐですか?」 岡選手
「まぁ今はですね」

全6種目で戦えるオールラウンダーの岡選手。選考会での各種目の最高得点を見てみると、日本が苦手なつり輪を含め、全種目で高得点をマーク。平均では14.5点を超えていて、個人総合でもメダルが狙えるレベルです。

それを支えているのが、技の出来栄えを示す「Eスコア」です。高得点と言われる「8.5点」を全種目で超えています。この美しい体操が岡選手の持ち味です。これについて、キャプテン・萱和磨選手(27)はこう話します。

萱選手
「彼の体操を一番見るんですよ。慎ちゃんの体操を」 松岡さん
「慎ちゃん体操見ますか」 萱選手
「めっちゃ見ます。例えば平行棒の技を繰り出した後の倒立とか、倒立の納め方がけっこう僕は好きで、すごく美しいなって思っていて。技の後処理をきれいに見せるだけで演技全体が美しく、締まった演技になる」 橋本選手
「例えば倒立でちゃんと2秒止めるとか、やはりそういった当たり前のことを積み重ねて、(東京五輪の)最後の0.103点差ってところは変わるのかなと思ったので」
「やっぱり東京の時に、あと一人誰か着地が止まっていたら金メダルだったかもしれないと思うし。だからこそ、だったら(パリ五輪で)俺が金メダルに色を変えたと言えるくらい、みんなで着地を普段から意識する必要があるんじゃないかなと思いますし、最後に勝負を分けるんじゃないかと思います」

最終的に0.1点差を埋めるために必要なのは、やはり着地です。その点においても岡選手のすごさを感じさせたシーンがありました。

代表選考会最終日、全体トップで迎え最終演技者として行った鉄棒。会場中の注目と期待が岡選手だけに向けられるなか、最後の着地が決まりました。

とてつもないプレッシャーのなか、完璧な着地を決め、見事初代表を勝ち取ったのです。

岡選手
「ゾーンに入っているような感覚。もう音とかも遮断して、8割でできていたと思うんですよね」 松岡さん
「8割でできていた?」 岡選手
「はい、なんなら6割ぐらい。緊張した時、力が出すぎたりとかめっちゃあるんですよ。勢い、ボーンって出たりとかあるから」 松岡さん
「内村航平さんが『僕は寝起きでも金』って言ってたんですよ。5割の力でも勝てますって。そういう感覚でプレーをしているってすごくいいことだなって」 橋本選手
「あれはすごく良い経験になったんじゃないかな。どんな状態でも自分の演技を出すことが求められますし、それを最後に慎之助が自分の手で決めて、代表を勝ち取ったことはすごくよかったんじゃないかなと」
「(会場中の)視聴率100%で決めるってすごく怖いことなんですよね。それを二十歳で経験できているのが、この先にすごく必要になってくることかなとは思いますね」

岡選手の美しい体操と、ここぞという場面で決める完璧な着地は、日本にとって「金メダルへのラストピース」です。

岡選手
「当たり前のレベルがどんどん徐々に上がってきているんじゃないかなって。絶対ミスしなければ、もう絶対金メダルっていうのは獲得できると思うので、得点を稼いで、貢献していきたいと思ってます」

(「報道ステーション」2024年6月3日放送分より)

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