貯金を積み重ね、セ・リーグの首位を走る広島カープは、“鬼門” といわれたセ・パ交流戦を7年ぶりに勝ち越してフィニッシュ。その交流戦ラストの3連戦を振り返ります。
6月14日(金)vs. 楽天(楽天モバイルパーク)
交流戦の首位、楽天の本拠地・仙台に乗り込んだ金曜日。先発は、1週間前にノーヒットノーランを達成した 大瀬良大地 ですが、序盤からランナーを背負います。3回には3連打で満塁の大ピンチでしたが、6番・浅村栄斗 を渾身のストレートで見逃し三振に。
5回まで無失点の大瀬良は、シーズン防御率が0点台に突入します。大瀬良は、7回まで無失点のピッチングで22イニング連続無失点。勝ちはつきませんでしたが、交流戦の防御率0.00と圧倒的な結果を残します。
大瀬良大地(交流戦 防御率0.00)
7回 球数111 被安打7 奪三振5 失点0
互いにスコアボードにゼロを並べて延長戦に突入し、迎えた11回。先頭バッターは 二俣翔一 。この日、2本目のヒットで出塁します。ここで 新井貴浩 監督は代走に 羽月隆太郎 を起用。その羽月は単独スチールではなく、1番・秋山翔吾 が、今シーズン、2つ目の送りバントを決めて2塁に進みます。
すると、2番・矢野雅哉 の2球目に羽月は思い切りよくスタート。三盗を決めます。
ワンヒットで1アウト・3塁とすると矢野は、「なんとか前に飛ばせば、羽月が還ってくれる」とライトへ犠牲フライ。カープが足を使って先制します。
RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
「本当に流れる攻撃でした。しびれる試合展開でしたけども、若手がしっかりとアピールして、いい攻撃だったと思います」
そのウラ、すでに 栗林良吏 や 島内颯太郎 を使っていたカープは、新外国人のハーンがマウンドヘ。いまだ無失点のサウスポーは、最速154キロのストレートを軸に三者凡退に打ち取り、来日初セーブ。6人の投手による完封リレーで初戦を1対0でものにしました。(延長11回 楽天 0-1 広島)
6月15日(土)vs. 楽天(楽天モバイルパーク)
第2戦目。カープは2回、2アウト・2塁・1塁のチャンスで、前の試合2安打の9番・二俣。体勢を崩されながらも打球は1・2塁間を破り、ライト前へ。二俣の交流戦初タイムリーでカープが先手を取ります。
その後も玉村は要所を締めるピッチングで無失点に抑える好投。5回を終えて勝ち投手の権利を得ます。
打線は6回、ランナー3塁・1塁で交流戦で打点のない6番・坂倉将吾 。ショートのグラブをはじく強烈な打球。「秋山さんに起きろと言われたので、打ててよかった」と坂倉の3週間ぶりのタイムリーで追加点を挙げます。
なおも3塁・1塁で9日に再昇格した7番・堂林翔太 が、4月20日以来のヒットを放ちます。帰ってきた選手会長の一振りで4点目を奪います。
その後、1点差に迫られましたが、最後は守護神・栗林がしっかり抑えてゲームセット。玉村は今シーズン初勝利。さらにカープは7年ぶりの交流戦勝ち越しが決まりました。(楽天 3-4 広島)
6月16日(日)vs. 楽天(楽天モバイルパーク)
それでも新井監督の起用に応える選手たち。8回に 末包昇大 がタイムリーを放てば、4点差の9回には羽月、さらに堂林と、楽天の守護神・則本昂大 から連打でチャンスを作り、大盛穂 の内野ゴロの間に1点を返します。
なおも続くチャンスで途中出場の 宇草孔基 。ストレートをセンターへはじき返し、タイムリーツーベース。最後まで若手が成長を見せ、追い上げますが、そのまま逃げ切られて試合終了。(楽天 5-3 広島)
しかし、もう “鬼門” とは言わせない―。交流戦を7年ぶりに勝ち越し。貯金を2つ増やしてリーグ戦の再開を待ちます。(交流戦 10勝8敗)
◇ ◇ ◇
青山高治 キャスター
交流戦、よかったですね。
RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
いや、すごかったですね。やってくれました。
青山高治 キャスター
あれだけ “鬼門” といわれましたけど、貯金を作って交流戦を終えました。
天谷宗一郎 さん
そうですね。ソフトバンク戦以外、ほかの球団にはしっかりと勝ち切った。これが大きかったです。
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