今週3本のホームランを放ち絶好調のドジャース・大谷翔平選手の一週間を振り返ります。
衝撃の2試合連続の先頭打者弾を放った大谷選手ですが、メジャー、NPBで最多記録を持つのは「世界の盗塁王」たちでした。
古田さんが今週注目したのは右手1本でスタンドに届いた24号本塁打。片手でなぜ打つことが出来たのか解説します。
■大谷23号「弾丸のような打球」古巣エンゼルスから
大谷選手は23日、古巣エンゼルス戦の試合前に、去年までともに戦ったかつての仲間たちに挨拶しました。この日のユニホームは特別仕様、「シティコネクトユニホーム」。「夢見る人々の街」ロサンゼルスをテーマに、星の銀河をイメージしたデザインです。
3回裏、ドジャースは1点を先制し、なおもノーアウト一塁の場面で、大谷選手は3試合連続となる23号ホームランを放ちます。ロバーツ監督も思わず「WOW」と反応しました。打球速度約186キロ、飛距離約140メートルの特大ホームランでした。
松井秀喜さんの持つMLB日本人選手最長記録を塗り替える、7試合連続打点でエンゼルスに快勝しました。 大谷選手
「打球速度的には素晴らしい打球だったと思うので、あといい角度でいい眺めだったなと思います」
「(Q.特別ユニホームを来てホームランを打ち勝利)勝っていい縁起が担げるかなと思うので、次もしっかり勝ちたいなと思います」
■シーズン折り返し 大谷「素晴らしい前半戦」
大谷選手は25日、先週の活躍が評価され、週間MVPを受賞しました。先週の大谷選手は打率.458・4本塁打・11打点の成績を残しました。これにより、自らが持つ日本人最多記録を更新する通算9度目の受賞となりました。さらに6月だけで5度目の受賞となりました。さすがは「6月男」です。25日のホワイトソックス戦で大谷選手が対するのは、奪三振数ア・リーグトップのクロシェ投手。第1打席はカットボール、第3打席は159キロの直球に手が出ず、16試合ぶりに1試合2三振を喫しました。
自身初となる4試合連発に期待がかかるなか、9回表は犠牲フライ。それでも、日本人最長を更新する8試合連続打点で勝利に貢献しました。
26日のホワイトソックス戦は、1番に入って8試合目となります。1回表の第1打席で、大谷選手は6月10本目となる24号ホームランを放ちました。
バットの先だったという当たりで、打球を目で追う大谷選手はバットを持ったまま二塁へ。すると、ベンチから何やら指示が…。一塁を確実に踏むために戻りました。 大谷選手
「最初は入ってくれないかな、越えてくれないかなと思って見ていたので、バットをちょっと持ちすぎていたので。クレイトン(一塁コーチ)に置いていけという感じで言われて。自分でも一塁を踏んだか分からなかったので、一応戻ったという感じです」
さらに同点の4回表、ランナー一塁三塁とチャンスの場面で、大谷選手は決勝点となるタイムリーヒットを放ち、チームの全得点に絡む活躍を見せました。
大谷選手「(Q. 1番打者の1打席目、準備などで工夫は?)基本的にはあんまり変わらないようにはしてますけど、ピッチャーによって多少、どの打席もそうですけど、アプローチは多少変わってくるので、1打席目は特にチームの流れ的にも大事ですし」
シーズンの半分に当たる81試合を終えたことについて問われると、大谷選手は「自分がドジャースという球団、チームメイトにまず慣れる必要があるんじゃないのかなと思うので、そういう意味ではいい前半戦だったな、素晴らしい前半戦だったなと思います」と述べました。
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■先頭打者本塁打43本!NPB記録保持者は?■先頭打者本塁打43本!NPB記録保持者は?
27日のホワイトソックス戦前、大谷選手がやっていたのは、緑色のボールを使った壁当てです。去年までは投球練習前に行っていた恒例のルーティンです。 古田さん「(Q.古田さんも去年、このルーティンを体験していましたよね?)肩の後ろの筋肉には棘上筋(きょくじょうきん)棘下筋(きょくかきん)というのがあります。そこのトレーニングとストレッチです」
屋外で恒例のルーティンを10分程度こなした後は、ステップを踏んで体重移動をしながらのスローイングを行いました。投手復帰に向けたリハビリは順調そうです。
さらに自身のインスタグラムでは、愛犬デコピンとドジャースタジアムに向かう写真を公開しました。ご主人様の様子を伺うように一緒に出勤するデコピンの背中には、なんともかわいらしいペット用の小さなランドセルが背負われていました。
球場内でお座りをする姿もアップされ、ファンからは「スクスク大きくなっている!」「ランドセル姿、かわいい!」など大きな反響を呼んでいました。
大谷は1番指名打者で出場すると、1回表から快音を響かせます。今シーズン25号は2試合連続の先頭打者ホームラン。ボールをゲットしたファンは大興奮です。
大谷選手は10試合連続打点をマークし、ドジャースの球団記録を69年ぶりに更新し、通算9本目の先頭打者ホームランとなりました。
「20本?」
正解は81本。とんでもない数字ですね。
ちなみに、日本のプロ野球で先頭打者ホームラン記録は43本です。一体、誰が記録したでしょうか? 松木安太郎さん「これは古田さんでしょう」
正解は、盗塁王13回の福本豊さん(当時・阪急)。リッキー・ヘンダーソンさんメジャー最多の1406盗塁、福本豊さんはNPB最多1065盗塁と、日米でそれぞれ盗塁の最多記録を持つ2人が先頭打者ホームラン記録も保持しているんです。
大谷選手の第2打席は3回表、ノーアウト1塁2塁の場面で、慎重にボールを見極め、フォアボールを選び、後続につなげます。この後、3番フリーマン選手のライト線への痛烈な当たりで、ランナー1人が帰り、大谷もホームイン。ドジャースは4連勝です。
「(Q.6月に成績が良いことに関して?)シーズンに慣れてくるのもそうですし、シーズンの中で良いところ悪いところ、色々改善しながら、ちょうどそういう波が来やすいのかなとは思うので。まずは継続したいですし、これをしっかり最後までシーズンの後も見据えて、しっかりと継続していければいいのかなと思います」
バッティング絶好調の大谷選手は打率、ホームランはリーグ1位、打点もトップに3打点差をつけています(27日時点)。まだシーズンの折り返しですが、三冠王も期待したくなる結果です。
古田さん「ミゲル・カブレラ選手(タイガース)が2012年に三冠王を獲得しました。カブレラ選手といえばエンゼルス時代の大谷選手に一塁ベースでちょっかいをかけていたのが印象的。直前に大谷選手がデッドボールを当てたからで、お茶目なところもあります」
「一方、ア・リーグはジャッジ選手(ヤンキース)が打撃部門二冠、打率は4位です。もうすぐ規定打席に達するガーディアンズのクワン選手は打率.370(29日終了時点)をマークしています。ジャッジ選手の三冠王は難しいかなと思います」 ちなみに1956年に三冠王を取ったミッキー・マントルさん(当時・ヤンキース)は、打率.353・52本塁打・130打点で両リーグ1位を獲得しました。こちらもすごい記録ですが、まだシーズンは半分。大谷選手にも期待しましょう。
MLBオールスターゲームのファン投票1次投票が28日発表され、大谷選手はナ・リーグ指名打者部門で1位となり、2次投票へ進みました。2位のシュワバー選手(フィリーズ)との一騎打ちとなり、オールスター選出を争います。
ドジャースは29日、敵地オラクル・パークに乗り込み、ジャイアンツと対戦しました。大谷選手は3戦連続の先頭打者アーチに期待がかかります。
1回表、2ストライクと追い込まれた3球目は外のボールを自信をもって見送りましたが、判定はストライクで見逃し三振。厳しい判定に対して、大谷選手は不満げな表情を見せました。
大谷翔平選手は8回表の第4打席で、インコースのボールをはじき返し、快足を飛ばして内野安打。3試合連続安打を記録しました。連続試合打点は10でストップしましたが、打率はリーグトップをキープしています。
試合は9回裏、ジャイアンツにサヨナラホームランが飛び出し、ドジャースの連勝は4で止まりました。
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■古田解説 24号は崩され「右手1本」■古田解説 24号は崩され「右手1本」
今週、古田さんが注目したのは26日、ホワイトソックス戦で放った大谷選手の24号ホームラン。左手がバットから離れて、右手一本で振り切りました。大谷選手は「(バットの)先っぽの方でしたけど、入ってくれたらいいなっていう感じで走ってました」と話しました。 古田さん「片手でホームランを打つと力があまり入っていないように思われがちですが、実はそうでもありません。打つ瞬間のバットのヘッドスピードをいかに上げるかが重要です。当然両手で打つのは力が入りやすいですが、大谷選手のパワーは(打つ瞬間に)すでにヘッドスピードが上がっており、(バットを振りぬく時に)片手になってもスピードが上がるのです。ヘッドがクルッと回り、片手の方がヘッドスピードが上がることがあります。実は片手でホームランを打つことはそれほど珍しくないのです」
「ギリギリのホームランだったのは、彼のバッティングが芯に当たらず先っぽに当てたからです。先っぽで、片手であそこまで飛ばすのはすごいことです。普通の人なら、あれでは外野フライが精一杯でしょう。これはやはりすごいことです」
「パワーももちろんあります。あれが芯に当たっていたら、片手でもスタンド中段ぐらいまで行っていたでしょう。少し泳ぎぎみでボールを飛ばしにくいポイントではありますが、(片手でホームランにするのは)そんなに難しくないのです。僕たちから見ると、先っぽに当ててあそこまで飛ばすのはやはりすごいと感じます」
「(Q.ホームラン量産態勢ですが、何か大谷選手は掴んだのでしょうか?)やはり打順1番に入って、自分にもいろんな刺激が入ってきているのでしょうね。ホームランだけでなく、ボールもよく見逃すようになってきていますし、チームのために何度も塁に出ようという姿勢も見られるようになっています。今までは40本塁打・40盗塁を狙っていると思っていましたが、今回は三冠王も視野に入れているかもしれないです」 浅尾さん
「大谷選手に疲れはないのですか?ずっと出場していますが」 古田さん
「疲れていると思います。人に見せないだけで、大変だと思いますけどね。でも今、いろいろな目標に向かっている。今年は特に新しいチームに入ってきたこともあって、集中力を持ってやっていると思います」
(6月30日放送「サンデーLIVE!!」より)
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