(6日、第106回全国高校野球選手権広島大会1回戦 賀茂4―3福山工)

 広島大会の開幕試合はプレーボール直後、どよめきと歓声に包まれた。

 試合開始を告げるサイレンの余韻が残る中、先頭打者の福山工・神原侑喜(3年)が、初球を左翼席にたたき込んだ。

 整備されたばかりのきれいなグラウンドの打席。あこがれの球場に立つ喜びをかみしめていた。初球を振り抜くことだけを決めて。

 完璧な当たりに、引っ張られた打球はぐんぐんと伸びていく。二塁を回ると、大はしゃぎのベンチとスタンドが見えた。「やっちゃったな、俺」

 試合は延長タイブレークの末に敗れたが、表情に曇りはない。「バットを振り続けた成果が出て、幸せです」=マツダスタジアム(根本快)

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