(6日、第106回全国高校野球選手権京都大会1回戦 立命館7ー0東稜) 六回裏1死三塁、好投を続けていた東稜のエース中村天空(そら)さん(2年)の右足がつった。代わってマウンドに上がったのは溝口竣斗さん(2年)だ。

 「いつでもいけるよう初回から準備はできていた」

 迎えた打者にライト前タイムリーヒットを浴び、3点差に広げられた。だが、後続を三振、ライトフライに抑え、踏みとどまった。

 しかし八回裏、6点目を奪われ、なおも1死満塁のピンチ。あと1点を許せばコールド負けになる。

 相手打者には、前の打席で右中間を破るタイムリー二塁打を打たれていた。カウントは3ボール2ストライク。

 「直球が高めに浮いてしまった」

 押し出しの四球を与え、ゲームセット。

 「直球を狙われていることはわかっていたが、最後は自信のある直球で勝負したかった。九回まで投げたかった。力不足でとても悔しい」

 東稜に入部したきっかけは「インスタ」だ。野球部はストレッチのやり方や練習の様子を動画で発信していた。それを見て自分もこの環境で野球がやりたいと思ったという。

 「3年生は気楽に話せるいい人ばかりでした」

 3年生の思いを背負い、来夏は九回のマウンドに立つことが目標だ。(木子慎太郎)

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