(7日、第106回全国高校野球選手権宮崎大会1回戦 高鍋12―0高千穂)
四回裏1死、11点差。高千穂の先発冨高龍輝投手(3年)がマウンドに戻ってきた。
駆け寄った双子の兄、龍星捕手(同)から「変化球で打ち取ろう」と声をかけられた。「どうにかなると信じて投げた」。犠飛は打たれたが、次打者を三振に抑えた。
応援の雰囲気にのまれ、初回から投球のリズムを作れなかった。適時打や犠飛で2点を奪われると、二つ目の四球を許してマウンドを降りた。中学からバッテリーを組む龍星捕手は「サイン通りに行かず、流れを持っていかれた」と悔やむ。
選手が9人しかいないチームは、走者を置いた守備練習などに制約を受けてきた。龍輝投手も昨年8月の新人戦の後、肩を痛めて投球練習ができない日が続いた。それでも、「苦しいときもみんなで支え合ってきた」と龍星捕手。
試合後、龍輝投手は「制球が乱れるとすぐケンカしたけど、いろいろ支えてくれてありがとう」。龍星捕手は「よくここまで一緒にやってきてくれた」と兄弟が互いに感謝した。(中島健)
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