(8日、全国高校野球選手権長野大会2回戦、小諸商9―4諏訪清陵)

 最速140キロ台中盤の速球を持つ諏訪清陵の岩井柊弥(しゅうや)(3年)は大会注目の右腕だ。しかし、この日は序盤から思うような制球がきかなかった。

 自らの本塁打などでチームは一時、4点差までリードを広げるが、ピッチングでは体が前に突っ込み、球が浮く。「(コースに)決め切れている感じがしなかった」

 完全に歯車が狂ったのは3点リードで迎えた五回だった。安打と死球で満塁とされると、走者一掃の二塁打で追いつかれた。その後も連打を浴び、この回だけで7失点と、小諸商打線につかまった。

 昨夏の長野大会で、すでに140キロ台の球速表示をたたき出し、一気に注目を浴びた。この速球にカーブやキレのあるスライダーが加わる。県内屈指の本格派であるのは間違いない。

 試合後、「みんなが取ってくれた点だった。守り切れなかった」と涙して悔いた。プロ野球選手になる夢は持ち続ける。「技術も流れの怖さも学べた。この経験をバネにしたい」と誓った。(高億翔)

150キロのマシン打撃で対策 2年コンビが7安打

 諏訪清陵の岩井を攻略して逆転勝利を手にした小諸商の西沢彰泰監督は「粘り強く戦ってくれた」と選手たちを褒めた。

 対戦が決まってから、打撃マシンの球速を150キロに設定して対策し、中軸の油井幸太朗(2年)や角田涼(同)が奮起した。勝負どころの五回も含め、2人で計7安打。本塁打も放った油井は「これからも一戦一戦強くなりたい」と次を見据えていた。

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