(11日、第106回全国高校野球選手権福岡大会4回戦 沖学園14―2戸畑)

 戸畑の萩原望安選手(3年)は塁間3.9秒という俊足の1番打者だ。「(塁に出た)僕の盗塁から戸畑の攻撃が始まる」と自負してきた。しかし今大会、ここまで2試合で9打数1安打、2盗塁。攻撃の火付け役にはなりきれていなかった。

 初回、四球で出塁。早速、二盗を試みたが、雨上がりでぬかるむ地面に足を取られて失敗。チームも三回まで各回複数失点を続けた。

 2打席目も四球で出塁。13点差をつけられた五回裏の3打席目は左越え二塁打を放った。後続の内野ゴロで三塁に進むと、犠飛で生還。最後に自分の役割を果たし、手元で小さくガッツポーズを作った。

 五回コールド負けに終わったが、「盗塁はできなかったけど、みんなの打球のおかげでかえってこられた。今までに無いくらい、うれしい」と涙を流しながら笑顔を見せた。(太田悠斗)

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