サッカーJ2のV・ファーレン長崎が子どもファン獲得に力を入れている。先月、競技場に設けた「宿題部屋」は、試合を楽しむ前に学校の宿題をこなす場を設ける取り組み。保護者にも子どもたちにも大好評だったため、ホームゲーム3試合を小中学生無料にする夏休み中の8月にも開設を検討している。
宿題部屋は6月26日夜、リーグ戦会場となったトランスコスモススタジアム長崎(長崎県諫早市)に設けられた。平日夜の試合の場合、下校後に家で宿題をやって観戦に向かうとバタバタになる。かといって試合後、家に帰ると、もう寝る時間――。そんな子育て中のスタッフの悩みをもとに発案された。
試合後は監督による記者会見場となる部屋に、この日は午後3時半から、次々とユニホーム姿の子どもたちが入ってきた。チームのスタッフや、ボランティアで先生役を務める大学生らが子どもたちを出迎えた。クラブのマスコット、ヴィヴィくんも、宿題に取り組む子どもたちを激励したり、自分も席についてサインを書いたりした。
宿題を終えないと試合を観戦できないとあって、子どもたちは真剣に、算数や書き取りなど、それぞれの課題をてきぱきとこなした。
長崎市から来た小学4年の女児は「宿題は大事。学校が遅く終わったので(自宅で勉強する余裕がなく)宿題を持って両親と来ました」。諫早市内から来たという母の一人は、「いつもよりおりこうで助かります」と目を細めた。
秋にはチームの本拠が長崎市の新スタジアムに移る。この母は「向こうでもぜひやってほしい。学校に迎えに行って、ランドセル姿でそのまま応援に行けますから」。
夏休み中の8月、トラスタでは3日に水戸ホーリーホック戦、24日にレノファ山口戦、31日に栃木SC戦が予定されており、県内の小中学生は公式サイト(https://www.v-varen.com/clubinfo/205195.html)から3日前までに申し込めばいずれも無料で観戦できる。
V・ファーレン長崎は「子どもたちにサッカー、スポーツの楽しさ、郷土のプロスポーツの魅力について感じてほしい」と観戦を呼びかけている。(寿柳聡)
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