(14日、第106回全国高校野球選手権新潟大会3回戦 開志学園3―5十日町)
八回裏、2死ながら走者一、二塁のピンチ。これ以上、失点すると試合を決められてしまう。開志学園の内野陣がマウンド上に集まった。
主将の和田未来(3年)が促し、それぞれが帽子のつばの裏を見る。和田のつばには「お前ならやれる 大丈夫」という太書き。「ああすれば、気持ちをリセットできるんです」と和田。次打者を凡退させ、難を乗りきった。
第4シードとして臨んだ今大会。開志学園はこの日、登録選手20人中17人がグラウンドに立つ総力戦を展開し、相手を上回る11安打を放ったが及ばなかった。
和田はそんなチームの中で吉村遥喜(3年)とともに複数安打を放ち、仲間を鼓舞し続けた。ただ強豪相手に気迫を見せ続ける十日町に「自分たちの野球をやらせてもらえなかった」と和田は言う。川上大輔監督は「投手交代などで先手を打ち続けたが……。選手たちはよくやってくれた」とねぎらった。
涙に暮れる仲間をよそに、和田は緊張感のある表情を崩さなかった。「泣くのは今ではありません。全部やりきりましたから」(鈴木剛志)
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