(14日、第106回全国高校野球選手権宮崎大会2回戦 宮崎農0―8都城商)

 宮崎農の遊撃手、長嶺愁斗選手(2年)は雪辱に燃えていた。チームは7日の初戦で八回に5点を奪って逆転勝ちしたが、自身は送球ミスなど2失策。このまま夏を終わらせたくなかった。

 昨夏もスタメン出場した内野の要だ。昨秋、同学年10人だけの新チームで、遊撃手にコンバートされた。「まず、景色が違うことに慣れ、ボールから目を離さずに低く構える」。繰り返し意識して練習を重ねた。佐々木典彦監督は「彼がショートでないと成り立たない」と話す。

 この日は1歩目の動き出しを速くした。送球も、「置きにいかず、腕を振るように気をつけた」。初回から何度もゴロが飛んできたが、堅実に処理。六回には二塁後方への飛球を後退しながら捕った。

 守備は無失策。「しっかり動けて、集中できていた」と満足しているが、四回に二遊間のゴロが横っ跳びした先を抜け、相手にチャンスを広げられた。「捕りたかったですね」と悔しがる。

 引退する3年生がいないチームには、強豪に敗れたこの試合がすべて糧になる。「守備範囲を広くして、チームに欠かせない存在になりたい。次の夏、まずは先輩と昨夏敗れた3回戦を突破してリベンジしたい」と前を向いた。(中島健)

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