第106回全国高校野球選手権愛媛大会は、7月13日に開幕し、55校の48チームが出場する。一つの目的に向かって力を合わせる、個性豊かな選手らの姿を紹介する。

松山北・木田寛太選手

 松山市の愛媛県立松山北高校野球部の左翼手、木田寛太選手(3年)はプロ野球が大好き。200~300曲はあるという12球団の現役選手の応援歌をほぼすべて歌えるという。「選手のバックグラウンドを捉えるとすごく面白い」

 歌詞には選手のプレースタイルや出身地、応援団の期待などが織り込まれている。試合の動画を見て、流れている応援歌をチェックする。

 一番好きなのは、元ロッテのサブロー選手の応援歌。登場曲の題名やアイドルだった妻の楽曲の歌詞が盛り込まれ、リズミカルな曲調も好みだ。

 自宅で素振りをするときは、応援歌のまとめ動画を流しながら、その選手になり切る。

 試合ではベンチから、対戦相手の情報をチームメートに伝える役を担う。代打で出場するときは、次打者席でサブロー選手の応援歌を心の中で歌って気持ちをつくる。

 昨年の3年生を送る「卒部試合」では、下級生をまとめ、先輩一人ひとりに応援歌を贈った。

 野球部で運営を手伝った愛媛マラソンでは、沿道でプロ野球の背番号入りユニホームを着た走者が通るたび、その選手の応援歌を熱唱して後押しした。

 5歳のとき、坊っちゃんスタジアムでプロ野球の公式戦を初めて見た。ビジョンの映像や音楽、照明に照らされた選手たちのプレー、外野席のファンの声援……。「お祭りを見てるようですごく楽しくて」

 夢はプロ野球球団の職員。第1希望は一番好きな阪神タイガースだ。(中川壮)

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