(15日、高校野球山形大会2回戦、鶴岡東2―1山形中央)
昨年まで2年連続で夏の決勝で敗れた山形中央。前主将の武田陸玖選手(現・横浜DeNAベイスターズ)から「次こそ頼む」と主将を託されたのが、安藤聖主将(3年)だった。
新チームの最上級生は安藤主将ら5人。「後輩を大切にし、学年関係なく、何でも言い合えるチームをつくろう」と誓った。
この日の立ち上がり、四球と失策、内野安打などであっという間に2点を失った。しかし、その後は2年生エース、小坂楓投手の完璧な投球が光った。昨秋、今春の県王者、第1シード鶴岡東の強力打線を抑え込み、攻撃では五回に連続長打で1点を返した。
自らも一回の先頭打者として右前に痛烈な安打を放った。守りではピンチを切り抜ける度に、左翼の守備から全力疾走で戻り、選手たちと体全体で喜び合った。「終盤勝負だ」と声を出し続け、プレーと言葉で鼓舞した。ただ、1点差は埋まらず、試合は幕を閉じた。
「自分たち3年生は、本当に、何か、残せたものはあったのかな、と考えます」。試合後、かみしめるように語った。「後輩たちはたくましく、頼りになる。まだまだ成長できる」。バトンを自信をもって引き継ぐ。(坂田達郎)
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