第106回全国高校野球選手権愛媛大会は、7月13日に開幕し、55校の48チームが出場する。一つの目的に向かって力を合わせる、個性豊かな選手らの姿を紹介する。

松山工・上田涼介選手

 松山市の愛媛県立松山工業高校野球部の投手、上田涼介選手(3年)は、筋トレで体重を入学時より18キロ増やした。「筋肉は努力して得るもの。自分を追い込むのも楽しい」

 入学時は身長176センチ体重54キロ。ソフトボールや野球に励んだ小中学生時代、パワー不足で悔しい思いをしてきた。

 高1の冬に一念発起。野球部の練習後、公営のジムにほぼ毎日通い始めた。動画を見るなどして練習方法を学び、プロテインを摂取した。

 食事も「変革」した。「とにかく米」。授業間の休み時間ごとにおにぎりを食べた。練習前も含めて1日10個。夕食は丼2~3杯を平らげた。

 「大きくなると信じてやり続けた」。筋肉も体重も着実に増えていった。昨春ごろから、投打に効果が表れ出した。

 今は身長180センチ体重72キロ。持ち上げられる最大重量はベンチプレス95キロ、スクワット140キロだ。「筋肥大が楽しい」。昨秋、設備がより充実した民間のジムに移った。チームのトレーニングリーダーでもある。

 筋トレを始めて以来、時間を無駄にしたくないと思うようになった。より真摯(しんし)に野球に取り組めている。「いい決断やったとめちゃくちゃ思う」。筋トレは高校卒業後も続けるつもりだ。

 夏の大会に向け、効率的に力を出す鍛錬に努めている。試合では継投の一角を担う。「真っすぐでねじ伏せる」(中川壮)

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