「2部制」での試合開催は、近年の厳しい暑さと、これまでの対策を鑑みれば、自然な流れと言える。

 全国選手権大会を主催する日本高校野球連盟と朝日新聞社はここ数年、暑さ対策と選手の負担軽減策を進めてきた。

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 2013年の第95回大会で初めて休養日を設け、以降はタイブレーク制や投球数制限、継続試合などを採り入れてきた。今春から導入された低反発の金属製バットも、投手の負担軽減などを配慮したものだ。

 選手だけでなく、観客やアルプス席で応援する吹奏楽部員や一般生徒ら、皆が健康で安全に。「持続可能な高校野球」を目指す中で、2部制の実施につながった。

 実施する中で、新たな課題も見つかるかもしれない。ただ、全国の様々なチームを取材して感じるのは、高校球児にとって「甲子園」というのは特別な場所だということだ。

 22年に東北勢で初めて日本一になり、昨夏も決勝に進んだ仙台育英の須江航監督(41)は「昔も今も、甲子園でプレーするのが子どもたちの大きな夢」と語る。

 今年、開場から100周年の節目を迎える甲子園。選手、観客の健康を最優先しつつ、思いにも応える。取り組みは続く。(山口裕起)

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