(18日、全国高校野球選手権宮崎大会3回戦 小林西3―0都城商)

 都城商エースの今村巨(おおき)投手(3年)は立ち上がりから苦しんでいた。腕を振れば球が高めに抜ける。低めを意識して力を抑えると痛打された。

 初回に3安打を浴びて2失点。試合開始が雷鳴で約10分遅れた間に「肩が冷えてしまった」という。大石朔也捕手(同)はサインと逆に来る球が多いことを気にしていた。「まだ序盤だから落ち着こう」と声をかけた。

 140キロ台の直球を投げる速球派として注目されてきた。今年の県選手権で延岡学園を九回まで無失点に抑える接戦を演じた際、「力を入れなくてもスピードが変わらない」とコツをつかんだ。

 今大会は初戦を6回1失点にまとめ、「ギアを上げます」と臨んだ試合だった。

 思い通りに球を操れないなか、我慢の投球で三回以降はゼロを並べた。大石捕手は「周りの守りが見えるようになっていた」。だが、チームには本塁が遠かった。

 試合後、「守りのチームなので自分が抑えないといけなかった」と険しい表情だったが、「力は出し切った。みんなと1、2回戦を勝つことができて良かった」。結果を受け止めた。(中島健)

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