(19日、第106回全国高校野球選手権広島大会3回戦 総合技術4―3如水館)

 サヨナラ負けの瞬間、打球が落ちた外野をぼうぜんと見つめた。

 如水館の3番打者・高坂太基(たいき)選手(3年)は六回、安打で出塁し、犠打などで三塁へ進むと、スクイズに好スタートを切った。総合技術の捕手をうまくかわして本塁を陥れ、勝ち越しとなる2点目を奪った。

 しかし、チームは九回裏、2連打を浴びて無死二、三塁と迫られる。そこで、抑えの切り札として、高坂選手が一塁からマウンドへ上がった。

 迎えた代打・沢田陸選手(同)の打球は二遊間を抜け、走者2人がかえって同点に。その後、アウト二つを取ったが、田頭晃希選手(同)の打球はふわりと上がって、右前に落ちた。

 「あの景色は一生忘れません」。投打の要を担った高坂選手は、そう言って帰りのバスに乗り込んだ。(根本快)

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