第106回全国高校野球選手権島根大会(島根県高校野球連盟、県教育委員会、朝日新聞社主催)第7日は20日、県立浜山公園野球場と松江市営野球場で、3回戦5試合があった。飯南がシード校を振り切り、昨年の覇者・立正大淞南は逆転勝ち。ベスト8が出そろった。21日は休養日で、22日は県立浜山で準々決勝2試合がある。

 飯南の右腕エース・岩本大政投手(3年)が2失点で完投勝利を挙げた。与四球はわずか一つ。「スリーボールになっても粘り強く、丁寧に投げられた」

 準優勝した1年のときから島根大会のマウンドに上がっている。当時から体重は13キロ増え、75キロに。「いきの良い球を投げられるようになった」。最高球速は145キロを誇る。

 この日は監督の指示通り、平常心で投げることを心がけた。楽器を使った相手の応援もよく聞こるほど落ち着いていたという。「終盤は相手の勢いに押し込まれそうになったが、平常心で投げることができ、大量失点にならなかった」(石川和彦)

(20日、第106回全国高校野球選手権島根大会3回戦 大社5―0出雲工)

 六回裏、1死一、三塁のピンチ。出雲工の主将でエースの照喜名遥生投手(3年)が、リリーフのマウンドに上がった。暴投で1点は与えたものの、後続を2者連続三振に抑え、以降追加点を許さなかった。

 今大会初戦となった松江工との2回戦では先発したが、思うようにストライクが入らず途中降板。持田師監督は「制球力に苦しんでいた」。

 この日は終始追う展開となったが、持田監督は「最後はキャプテンでいきたいと考えた」。照喜名投手も試合後、「いい試合ができた。やり切った」と笑顔を見せた。

 チームはこの試合に勝てば、照喜名投手の双子の弟・晃生選手(3年)がいる出雲商と準々決勝で対戦するはずだった。

 照喜名投手は弟に「かましてこいよ」と送り出され、父からも「あとは(出雲)工業だぞ」とLINEが届いた。かなわなかった兄弟対決について取材で問われ、初めて目を潤ませた。(中川史)

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(20日、第106回全国高校野球選手権島根大会3回戦 浜田3―1島根中央)

 和田誉司(たかし)監督(島根中央) 負けるつもりは全くなかったので、何しゃべっていいかわからん。

 開幕戦から3試合やって、もっとやりたかったけど、成長した姿を最後見せてもらうことができた。ほんとに感謝かなと思います。5月、6月は、どうなるの夏の大会は、と思っていたけど、最後しっかりと3年生らしく、ゲームができたんじゃないかなと思う。

 (失点は)ホームラン1本の3点。悔しいけど、これが野球だし、おもしろさでもある。決しておまえらが相手校に劣っているとは俺は思わない。負けたのはすべてこっちの責任。おまえらほんとにいい試合をした。下を向く必要はない。

 毎年、負けるとこういう話をしなきゃいけないんだけども、これで区切りが一つついて、明日から新たな生き様を見せていくと思う。今日はとことん悔やんで、明日からは君たちの人生がいい生き様になるようお願いします。(石川和彦)

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