(21日、プロ野球 阪神タイガース12―3広島東洋カープ)
監督のぼやきは、もううんざり。そんな思いをバットに込めたようだった。
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阪神打線が久々の猛攻だ。
1点を追う三回。1死一、二塁から中野拓夢が左翼線へ同点の適時打を放つと、今季ワーストの26イニング連続無得点中だった打線が目を覚ます。2死後、4番佐藤輝明から5者連続の適時打で計6得点。「後ろにつなぐ気持ちだった」と中野が言えば、5点目をたたき出した木浪聖也は「いい波に乗れた」。低く、鋭い打球で単打を重ねた。
まだ止まらない。六回は大山悠輔がチームとして14試合ぶりの本塁打となる2ランを放つなど、この回も6点。計13安打で12得点。先発野手8人が全員安打と打点を記録した。
今季は打線が湿りっぱなしだった。試合前時点のチーム打率2割2分3厘はリーグ最下位。4連敗となった前日の試合後、岡田彰布監督のぼやきはいつも以上だった。
「言葉がないわ」「信じられへん」
ただ、選手にもプライドがある。2軍落ちを経験し、六回に2点二塁打を放った3番森下翔太は言っていた。「見返してやる、という思いで練習している。結果を出すしかない」。他の選手たちも同じ思いだろう。
首位ターンして優勝した昨季と違い、4位で前半戦を終えた。それでも、投手陣の踏ん張りで首位巨人とは3.5ゲーム差につける。
混戦から抜け出すすべは、わかっている。「野手陣の奮起」。監督と選手の、共通認識だ。(山口裕起)
西勇(神) 6回2失点で6月13日以来の4勝目。「野手のみんなが点を取ってくれたので無駄な走者を出さないことを意識した」
岡田監督(神) 快勝で連敗を4で止める。「各打者が後ろにつなぐ意識だったと思う。(優勝した)去年を思い出したんじゃないか」
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