(23日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会準決勝 向上4―6東海大相模)
1点を勝ち越された直後の八回裏。東海大相模は2、3番の連続四球でチャンスを作るが、その後、送りバントを失敗。反撃ムードは一転し、スタンドに重い空気が流れた。チームを率いてきた原俊介監督でさえ、当時の心境を「ちょっと弱気になった」と振り返る。
そんな中、5番の木村海達(3年)が左前打で望みをつないだ。1死満塁とし、この日すでに2安打を放っていた好調の才田和空(3年)に打順が回った。
「ストレートに絞っていました」。才田は4球目、狙い球のストレートを振り抜くと、打球は左翼手の頭上へ。走者を一掃し、一気に逆転した。「ガッツポーズをすると浮かれてしまうので」、険しい顔を崩さないまま、塁上で小さく手を上げた。
次は横浜との決勝戦。「僕たちの目標は日本一なので、そのためにまずは神奈川の頂点をつかみたい」。勢いづく好打者は、さらに先を見据えている。(中嶋周平)
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