パリ五輪のサッカー男子日本代表は24日午後7時(日本時間25日午前2時)、ボルドーで1次リーグ初戦のパラグアイ戦に挑む。参加16チームのうち日本は唯一、年齢制限のないオーバーエージ(OA)枠を使わず、23歳以下の選手だけでのぞむ。

 「メンバー発表のときからOAの選手がいないことは分かっていたこと。いろんな意見も耳にしますけど、自信をもって試合に挑みたい」。副主将のDF西尾隆矢(セ大阪)は語る。

 8大会連続12回目の出場となる日本だが、今回は2008年北京大会以来、16年ぶりにOA選手が参加しない。大岩剛監督をはじめ首脳陣はA代表の主力選手をOA候補に挙げたが、所属クラブの事情もあって招集できなかった。

 「原則23歳以下」と年齢制限ができた1992年のバルセロナ大会以降、OA枠を使わなかった過去2大会(96年アトランタ、08年北京)はいずれも1次リーグで敗退。本田圭佑、岡崎慎司らが出場した北京五輪は3戦全敗だった。

 協会関係者は「同年代の選手だけだと、良くも悪くも『仲良し集団』になりやすい」。中2日で3試合をこなす短期決戦だけに、悪い流れを断ち切れるリーダーがいるかもポイントになる。

 一方で、そんな「ジンクス」は選手たちも把握している。

 副主将の山本理仁(シントトロイデン)は「そういうデータを破っていきたい」ときっぱり。選手たちの間では、「俺たちで歴史を塗り替えよう」という声もあがっているという。

 直前にあった国際親善試合では開催国のフランスと引き分け、自信も得た。欧州のトップリーグでプレーする相手の前線の選手とも渡り合い、「五輪のレベル」を肌で感じた。

 山本は「優勝候補相手に引き分けた、という結果だけを見ても可能性はある。目指すのはメダル。まずは1次リーグ突破をしたい」と語る。(照屋健)

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