(25日、第106回全国高校野球選手権静岡大会準々決勝 駿河総合0―13掛川西)

 「自分たちらしくやれ」。12点差をつけられた四回、駿河総合のエース出井空大投手(3年)は望月俊治監督に声をかけられ、マウンドで気持ちを切り替えた。

 この日は二回途中で救援登板し、三回に連打で追加点を許した時は「うまく打たれて怖さがあった」が、四回は「思い切って、自分のできることを全部やろう」と持ち球の変化球を全部使い、無失点で切り抜けた。五回は1死一、三塁をつくられたが、内野ゴロの間の1点でしのいだ。

 「一番弱い代」と言われた学年だったが、「個の力が足りなくても、チームで粘り強くを目標にしてきた」(出井投手)。現オリックスの紅林弘太郎を擁して準優勝した2019年以来の8強に勝ち上がった。柳原武侍主将(3年)は出井投手の力投や代打で出場した3年生2人のフルスイングが「うれしかった」。出井投手も、柳原主将も、「大学で野球を続けたい」とレベル向上を誓った。(斉藤智子)

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