劇的な幕切れで、鳥取城北が6年ぶり6回目の夏の甲子園出場を決めた。第106回全国高校野球選手権鳥取大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)は25日、鳥取市のヤマタスポーツパークで決勝があり、鳥取城北が九回裏に4点を挙げて、米子松蔭にサヨナラ勝ちした。鳥取城北は8月7日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する全国大会に鳥取代表として出場する。

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 ○鳥取城北・石黒尚主将 最終的に1点勝ち越そうと言い続けた。最後の最後まであきらめずに、その1点をもぎ取ることができた。個人の能力が高いわけではないが、「チーム力」で甲子園でも勝ちにつなげたい。

 ○鳥取城北・大林仁監督 監督になって3年目。このチームならやってくれると思っていた。全国大会に向けて、投手陣の課題を修正し、攻撃も積極性を身につけさせたい。

 ●米子松蔭・山本裕司主将 悔いが無いと言えばウソになるが、自信を持って大会に入ってやりきったという気持ち。九回、簡単に終わらないだろうとは思っていたが、鳥取城北は粘りのある良いチームだった。

 ●米子松蔭・塩塚尚人監督 選手にはよくやったと声をかけてやりたい。四、七回はワンチャンスをものにする攻撃で素晴らしかった。主将の山本中心にまとまったいいチームだった。

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 決勝の始球式を務めたのは福田椛心(かさね)さん(中3)と勝田杏奈さん(同)のバッテリー。鳥取市鹿野町を拠点に活動する女子軟式野球クラブ「鳥取ディアーズ」のメンバーだ。「高校野球の熱気が伝わってきました。もう1回投げたい」と福田さん。勝田さんも「決勝の雰囲気が楽しかったです」。チームのスローガンは「必笑必楽」。大舞台でも笑顔を忘れなかった。(斉藤勝寿)

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 決勝終了後にグラウンドでは閉会式があり、優勝した鳥取城北に優勝旗と盾、準優勝の米子松蔭に盾、両校の選手にメダルが授与された。

 福光浩・県高野連会長は閉会のあいさつで、鳥取城北の選手たちを「投手を中心とした堅い守りとパワフルな打撃。県勢の悲願である甲子園2勝以上を果たしてくれることを期待しています」と激励した。

 米子松蔭の選手たちに向けては「守備でも攻撃でもスピーディーなプレーが光り、チームとしての完成度の高さを感じさせられた」とたたえた。

 最後に両校の選手は、観客の手拍子にあわせて内野グラウンドを一周した。(富田祥広)

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 第106回全国高校野球選手権鳥取大会は、25日の決勝をもって全日程を終了しました。降雨などで日程が3日延びましたが、参加22校の選手たちは全力プレーで感動させてくれました。

 医師や看護師、県理学療法士会の方々を含め、大会運営に協力くださったすべての関係者、熱い声援を送っていただいたファンのみなさまに心より感謝を申し上げます。

 優勝した鳥取城北は、8月7日に阪神甲子園球場で開幕する全国大会に鳥取代表として出場します。甲子園での勝利をめざす同校を応援してくださいますよう、お願いいたします。

 県高校野球連盟

 朝日新聞社

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