《女子代表》
《男子代表》
注目
==競技日程==
《注目の階級は?》
【7月28日】史上初のきょうだい連覇へ
【8月2日】親子2代金メダルなるか
ウクライナ侵攻の影響も
最軽量級も金メダルの期待が高い階級です。大会2日目の27日、女子48キロ級と男子60キロ級が行われます。48キロ級の角田選手はともえ投げと、腕ひしぎ十字固めを持ち味に世界選手権3連覇を果たすなど有力な金メダル候補の1人です。ことしに入ってからひざのけがで思うような稽古を積めていませんでしたが、けがを抱えた中でもことし3月の国際大会で優勝していて、コンディション調整が勝利のかぎになりそうです。60キロ級の永山選手は東京大会の金メダリスト、高藤直寿選手と去年12月の国際大会で直接対決して勝ち、代表の座を勝ち取りました。背負い投げなどの担ぎ技が持ち味で、攻撃的な柔道で頂点を目指します。
最も注目されるのが大会3日目の28日。男子66キロ級の阿部一二三選手と、妹で女子52キロ級の詩選手史上初となるきょうだいでのオリンピック2連覇という偉業に挑みます。2人とも今大会も有力な金メダル候補で、一二三選手は得意とする豪快な担ぎ技はもちろん、細かな足技にも力を入れて稽古し、隙がありません。東京大会後は一度も敗れておらず、世界でもずば抜けた実力を誇っていて対戦相手への対策よりも試合中のけがなどのアクシデントに注意が必要になりそうです。一方、詩選手はランキングの順位からシードには入らない見込みで、東京大会の決勝で対戦したフランスのアマンディーヌ・ブシャール選手など、強力なライバルと早い段階で当たる可能性もあります。ただ、詩選手も東京オリンピック以降、国際大会で一度も負けておらず、担ぎ技や内股のキレはさらに磨かれています。ともに「投げる柔道」を信条とする2人がどんな技を見せて、そろって2連覇を達成するかという点も注目されています。
個人戦の最後となる大会8日目の8月2日には期待の若手が出場します。オリンピック2連覇を果たした斉藤仁さんの次男で最も重い階級の男子100キロを超えるクラスで22歳の斉藤立選手です。今回、柔道の日本選手では最年少です。身長1メートル90センチ、体重は160キロを超え豪快な体落としや内股などを持ち味に実績を重ねてきました。この階級にはオリンピック4大会連続でメダルを獲得している第一人者、フランスのテディ・リネール選手が出場します。ことし3月の国際大会で対戦した時には、斉藤選手が敗れたものの途中までは優位に試合を進めていて、今大会、互いに勝ち進めば、決勝で対戦する可能性があります。史上初の親子での金メダル獲得を目指した戦いに注目です。
同じ日に行われる女子の78キロを超えるクラスも注目で素根選手は最重量級での連覇となれば、女子では初の快挙となります。東京大会の銅メダリスト、フランスのロマンヌ・ディコ選手など体格に勝るライバルは多いものの、素根選手としては、懐に入り込んでの投げや豊富なスタミナを生かした攻めで勝ち上がりたいところです。
柔道の最終日、大会9日目の8月3日には東京大会から始まった混合団体が行われます。男女3人ずつ、あわせて6人でチームを組んで対戦します。東京大会では決勝でフランスに敗れて銀メダルに終わりました。今大会も最大のライバルは女子選手に実力者をそろえるフランスで、日本が初の金メダルを獲得し雪辱なるか注目です。
このほか、東京大会で金メダルを獲得し、存在感を示した男子81キロ級の永瀬選手や男子100キロ級のウルフ選手にも2連覇の期待がかかります。永瀬選手は「泥臭くても1勝を積み重ねる」としていて、海外選手のパワーに粘り強さと組み手のうまさで対抗し、頂点を目指します。ウルフ選手は出場選手では最も遅い、ことし2月の代表内定となりました。東京大会のように延長戦まで粘り強く戦うスタイルから、積極的に攻める柔道に変化を見せた試合運びに注目です。また、オリンピック出場3大会目となる女子63キロ級の高市選手は過去2大会、メダルには届かない結果が続いていて、3度目の悲願に挑みます。
一方、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が選手の出場にも影響を与えそうです。6月、ロシア柔道連盟はパリオリンピックへの参加を拒否することを発表しました。IOCはロシアとベラルーシの選手について、政府のウクライナ侵攻を積極的に支持しない限り「中立な個人資格の選手」として競技の参加が認めていましたが、ロシアの選手で出場が認められたのは4選手のみにとどまり、その決定に反発した形となりました。
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