(27日、全国高校野球選手権長野大会決勝、長野日大9―0長野俊英)
直球狙いのはずが、外角のスライダーを空振りし、ひざをついた。長野日大の9番、堀内恒希(3年)は打席から何度も三塁ベンチを見た。「自信を持っていけ」。主将の玉井洸成(3年)の声が聞こえた。
四回表1死二、三塁。「もう一度、スライダーが来るかもしれない」。堀内の頭をよぎった。4球目、予想があたり、右前に運んだ。試合の流れを引き寄せる2点目の適時打となった。
準決勝まで13打数2安打。チーム全体では3割超の打率だが、堀内は2割を切っていた。「大事なところで打てた」と、走りながら右の拳を掲げた。この回、長野日大は勢いに乗って計4点を挙げた。五回表にも適時打を放ち、試合の行方を決定づけた。
捕手としても、エースの山田羽琉(3年)を巧みにリードした。これまでの試合を偵察していた部員から「長野俊英の打線は直球を得意にしている」と助言を受けていた。スライダーを効果的に織り交ぜる配球を心がけた。
山田はこの日、被安打7、奪三振5で完封。五回裏には2者連続で空振り三振を奪うなど、緩急のある投球を得意とする山田の持ち味を存分に引き出した。「100点満点のリードができた。助言をくれた仲間たちのおかげです」
次はいよいよ甲子園の舞台に立つ。長野日大には力強い直球を投げる中島龍之介(3年)もいる。「甲子園でも2人の特徴を引き出せるようにしたい。目標はまず1勝です」と笑った。(小山裕一)
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