第106回全国高校野球選手権(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)に県代表として出場する長野日大は、甲子園のベンチ入りメンバーと背番号を発表した。長野大会から選手の入れ替わりはなかったが、3年生たちは最後までベンチ入りをめざして挑戦を続けた。30日、思いを聞いた。

 松橋将之監督は27日の優勝後、長野大会のメンバー入りを逃した3年生6人に求めた。「メンバーになりたい気持ちがあるなら、紅白戦で結果を出してほしい」

 松橋監督は松商学園時代に控えの外野手だった。最後の夏となった1999年夏の長野大会ではベンチ入りメンバーから外れた。チームが選手権大会に出場し、自身は練習補助員として甲子園のグラウンドに立った。「彼らの気持ちは痛いほどわかる」。真剣勝負でアピールできる場を最後に用意した。

 29日に学校のグラウンドで紅白戦があり、3年生の東佑弥、桜井奏碧、杉山優真、武内勇和、北島大輝の5人が久々の実戦に名乗りを上げた。

 内野手の東は「チャンスを与えてもらってうれしかった。紅白戦ではとにかく楽しむ気持ちだった」。第1打席で右前安打を記録した。

 外野手の桜井は左中間を抜く三塁打を放った。それでも痛めた利き腕からは思うように送球できず、メンバー入りはならなかった。「松橋先生が選んだ20人。今は託した気持ちです」と前を向いた。東と桜井は、急病などに備えた交代要員として練習を続ける方向だ。

 杉山も大会前に肋骨(ろっこつ)骨折が響き、メンバー外に。「試合はラストになるかも」と思い、これまでに感謝しながらプレーし、1安打を放った。

 武内と北島は2イニングずつを投げた。北島は「直球を気持ちよく投げられた」と振り返った。

 長野大会で補助員を務め、いつも人一倍大きな声を出してチームを盛り上げた薄井誠太は紅白戦に出場しなかった。

 6人の3年生はベンチ入りメンバー20人とともに甲子園に行く。練習補助員やデータ分析班として、チームに欠かせない役割を担う。(高億翔)

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甲子園のメンバー表(カッコ内は学年、◎は主将)

①山田 羽琉(3)

②堀内 恒希(3)

③小山 壱(3)

④宮沢 律羽(2)

⑤小田切 快成(3)

⑥玉井 洸成(3)◎

⑦小山 泰斗(3)

⑧田村 快斗(3)

⑨斎藤 大斗(2)

⑩中島 龍之介(3)

⑪宮坂 尚杜(3)

⑫半藤 慶(2)

⑬松本 光世(3)

⑭石田 雄也(3)

⑮和田 大聖(3)

⑯清水 智貴(1)

⑰薄井 颯太(3)

⑱林 康太郎(3)

⑲北原 琥汰朗(3)

⑳浦野 巧夢(3)

記録員:松沢 惟凪(3)

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