パリオリンピック2024の体操男子個人総合で、岡慎之助選手が金メダルを獲得しました。岡選手のすごさ、日本人選手の強さについて、元体操日本代表でオリンピックメダリストの池谷幸雄さんが解説します。
■池谷さんに聞く勝利のポイント「着地」
(Q. 池谷さんは先月30日の放送で、「岡選手がメダルを取るかも」「競技しながら実力が上がっている」と話していました。その勝負の中身を改めて振り返っていきますが、大接戦となりました。銀メダルの張博恒選手(中国)との差はわずか0.233でした。この接戦をものにした理由は? 池谷さん「着地です。東京オリンピック以降、着地が止まっても、減点というのが生まれてきています」
(Q. 厳しくなった?)
池谷さん「厳しくなりました。止まったからOKではなく、足が肩幅より開いて止まったら、0.3の減点と結構厳しいです。止まっても、足が大きく開いていたら、0.3引かれるなど厳しくなりました。その着地をちゃんと取りこぼさず、決めてきた岡選手の勝利はすごく大きいです」
(Q. 岡選手は初めてのオリンピックでしたよね。緊張とかが全く私には感じられなかった」
池谷さん「緊張しているんですけども、やはり自信があるので、そこまで緊張していない。調子が良いし、『自分は絶対失敗しない』という気持ちでやっているので、緊張していないように見える」
「さらにチャレンジャーなので、自分の実力がどんなものか、世界の大会に来てどんな感じなのかとやってみたら、2位で決勝に残った。ものすごい自信になったと思う」
(Q.意外と自分はできるなと思った?)
池谷さん「2位じゃん、やれるじゃないの。メダルか?みたいな。個人総合の時に自信もついていたと思います」
(Q. 団体で金メダルを取ったことも追い風になっていますか?)
池谷さん「やはり中国に勝てたというのもありますし、自分の試合は決勝で4種目でしたけども、全てノーミスだったのも自信につながっています」
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■「日本人選手の強さ」池谷さんに聞く■「日本人選手の強さ」池谷さんに聞く
(Q. もう一つ池谷さんに伺いたいのが、日本人選手の強さです。ロンドンオリンピックから考えると、内村さん、橋本選手、そして今回の岡選手とオリンピック4連覇となりました。なぜこんなに強いのでしょうか?」
池谷さん「一つは日本人はやはり器用です。伝統工芸とかもあり、手先が器用です。頭を使うので、いろいろな新しい技を出して名前(モリスエ・シライ3・ミヤチなど)が付いています。そういうのも、考えて、いろいろな練習をしています」
(Q. 例えば、シライのような新技ですか?」
池谷さん「(日本人の)体型も体操に向いています。そこまで大きくないので、体操に向いています。あとはやはり、先生方がしっかりと下をゼロから作ってきたわけです。岡選手は下からずっと育てて、基礎を作りました。毎日毎日練習を見て育ててきた選手たちが、どんどん羽ばたいている」
(Q.OBから受け継がれるものもありますが、現役の橋本選手や岡選手の団体でのチームメイトとしての関係性はどのようなものですか?)
池谷さん「ライバルであり、チームメイトでもあるということなんですけど、体操というのは点数を自分が100%演技をして点数が付き、順位が決まるので、相手を倒したり戦ったりするわけではありません。世界中の体操選手たちはみんな仲が良いです」
(Q. 中国選手とのリスペクトから伝わるものもありました)
池谷さん「敵対してますけども、仲は良いです」
(Q.一つになっているというか、ワンチームなんですね)
池谷さん「そうですね。体操という競技に携わっている選手はみんな仲間です」
(Q. 今回はメダルを逃した橋本選手を含め、4年後のロサンゼルスオリンピックに向けては?)
池谷さん「今回の調整はうまくいきませんでしたが、(橋本選手の)実力は岡選手を越えるものを持っています。橋本選手は26歳で、岡選手は24歳でロサンゼルスオリンピックを迎えます。2トップで最強のチームになるんじゃないかと予想しています」
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年8月1日放送)
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