パリ大会では2種目を実施
男子 “王者”安楽宙斗と“悔しさ晴らす”楢崎智亜
女子 銀メダリスト野中とリードで圧倒の森
注目
==日本代表 試合日程(日時は日本時間)==
【NHK放送予定】
男子のボルダー&リードで代表入りしたのは17歳の高校生、安楽宙斗選手と、東京大会に続く2大会連続出場となる楢崎智亜選手の2人です。安楽選手は去年、シニアの国際大会でデビューすると、ボルダーとリードのワールドカップでともに年間総合優勝を果たし、一気に“王者”に上り詰めました。力感のない軽やかな登りと腕のリーチの長さが持ち味で「脱力系クライマー」とも呼ばれますが、筋力トレーニングにも力を入れて取り組んできた結果、パワーも着実につけてきました。「オリンピックではこれまでで1番強い自分で挑む」と、進化した姿で初のオリンピックに臨みます。
楢崎選手は東京大会で4位だった悔しさを晴らそうと意気込んでいます。持ち味のダイナミックな動きを生かした得意のボルダーは世界トップレベルの実力を持っていて、ことしのワールドカップの初戦も制するなど好調です。課題としているリードでは力を使いすぎない効率的な登りに取り組んできたということで、どこまでリードで粘りを見せられるかがポイントとなりそうです。スポーツクライミングの日本男子で初のメダル獲得に手が届くか、注目されます。
女子ボルダー&リードは、東京大会銀メダリストの野中生萌選手と、20歳の大学生、森秋彩選手の2人が代表入りしました。野中選手は、去年の世界選手権とアジア予選で出場権獲得を逃し、最後のチャンスとなったアーバンスポーツの予選シリーズで代表をつかみました。女子では屈指の筋力を生かした得意のボルダーに加え、苦手だったリードも着実に実力を上げてきていて、パリでは「さらにレベルアップした姿をお見せしたい」と自信を見せています。
森選手は、去年の世界選手権のボルダー&リードで銅メダルを獲得して出場権を獲得しました。持ち味はホールドをつかむ指の力の強さと柔軟性で、特にリードでは世界でも圧倒的な強さを見せています。去年の世界選手権のリード種目では男女通じて初めてこの種目を制し、日本の女子選手として初めて世界選手権で金メダルを獲得する快挙を果たしました。「クライミングに関わってない人にも自分の登りを見てもらって、クライミングの魅力を少しでも伝えていきたい」とオリンピックでの活躍を誓っています。
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ただ、女子では海外勢に圧倒的な強さを誇る“世界最強のクライマー”がいます。東京オリンピックの金メダリストでスロベニアのヤンヤ・ガンブレット選手です。東京大会のあとも去年の世界選手権でボルダー&リードとボルダーで2冠を達成。今シーズンのワールドカップ序盤でもボルダー・リードともに総合順位でトップに立っています。パワーと持久力、課題の攻略法を読む発想力などすべてを兼ね備えた選手で、日本勢にとって大きな壁となりそうです。
スポーツクライミングでは、競技前に出場選手が一斉に登場して課題を下見するオブザベーションが行われます。オブザベーションは日本語で「観察」。選手たちが課題やルートを見ながらどうやって登るかを検討する時間で、これから戦うライバルどうしが身振り手振りを交えながら攻略法を考えます。勝ち負けの前に、いかに頂上を目指すかというクライミングの原点がかいま見える場面となります。そうしたスポーツクライミング独特の文化にも注目です。
【男子】▽8月 5日(月)17:00 ボルダー&リード 準決勝(ボルダー)▽8月 7日(水)17:00 ボルダー&リード 準決勝(リード)▽8月 9日(金)17:15 ボルダー&リード 決勝(ボルダー) 19:35 ボルダー&リード 決勝(リード)
【女子】▽8月 6日(火)17:00 ボルダー&リード 準決勝(ボルダー)▽8月 8日(木)17:00 ボルダー&リード 準決勝(リード)▽8月10日(土)17:15 ボルダー&リード 決勝(ボルダー) 19:35 ボルダー&リード 決勝(リード)
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