パリオリンピック™で体操男子の岡慎之助選手が団体、個人総合に続き、種目別の鉄棒でも金メダルを獲得しました。3冠達成は52年ぶりの快挙となります。岡選手の強さを体操男子元日本代表の谷川翔選手に聞きました。
■体操界の新星 岡慎之助選手 52年ぶりの三冠達成!
齋藤慎太郎キャスター:
先日行われた団体、個人総合に続き、鉄棒で金メダルさらに平行棒で銅メダルを獲得した体操男子日本代表の岡慎之助選手(20)。
表彰式の後のインタビューで岡選手は「ミスなくやり切れたことが金メダルに繋がったのかな。けがをしてからパリ五輪の準備はしっかりやってきたので、それが今回に繋がったと思う」と話しています。
ゲキ推しポイントは岡選手のミスのない“美しい体操”です。
谷川翔選手によると、今大会での岡選手の強さは、▼とにかくノッていた、▼大舞台で“いつも通り”の強心臓、そして▼体操の基礎が染みついている点だといいます。
谷川翔 選手:
ノッていたというのは、予選からオリンピックの舞台を楽しんで、出場した種目ほとんどミスがなく、ミスの仕方を忘れているようにも見えました。
井上貴博キャスター:
谷川さんにもそういったご経験はあるんですか?
谷川翔 選手:
「簡単だな」みたいなときは何度かあります。でもその状態に意識して持っていくことはできないので、そのタイミングを今持ってきたというところがすごいです。
ホラン千秋キャスター:
他の世界大会で結果を出せたとしても、オリンピックという大舞台で結果をいつも通り出すのは難しいことなんですか。
谷川翔 選手:
世界大会で活躍している選手たちでもミスしてしまうのを見てきたので、やはりオリンピックには「特別な空気」があるのかなと思います。
井上キャスター:
岡選手は世界選手権に出場経験がない中でのオリンピックでした。
谷川翔 選手:
むしろ怖さを知らず、初代表で出場してのびのびやった結果が功を奏したのだと思います。
■ 岡選手の強さは「美しい体操」と「強心臓」
齋藤キャスター:
そして、種目別の鉄棒では金メダルを獲得しました。遠くでキャッチする“攻めのコールマン”の姿勢が高得点に繋がったといいます。
谷川翔 選手:
離れ技は肘を曲げて掴むと減点になってしまいます。しかし、鉄棒から遠く離れると落下のリスクがあります。そのギリギリをオリンピックの舞台で攻められるのが強心臓だなと思います。
齋藤キャスター:
岡選手が2番目に演技をした後から、着地失敗や落下などが相次ぎました。ノーミスの演技というのは、後半の選手にプレッシャーを与えることにもなったのでしょうか。
谷川翔 選手:
やはり2番手で14.533というスコアが出たら、それを越える演技をしようとするので、心の余裕がなくなって、狙いにいきすぎてしまったのかなと思います。
また、海外で使われる器具は硬く、転倒する選手が多かったですが、それにも岡選手は当たり前のように対応してきたのがまたすごいなと思います。
井上貴博キャスター:
ミスはつきものですが、あれほどの大減点を8人中6人がするのはオリンピックの歴史のなかでもそうないですよね。
谷川翔 選手:
これだけ失敗が出るのはあまり見たことがないです。岡選手が「いつも通りにミスをしないでやりきった」というのがこの金メダルにつながったと感じました。
齋藤キャスター:
岡選手は今後について「もっと強くなって、内村航平さんがやってきたように常に勝ち続けられる選手になりたい」と話してます。
谷川翔 選手:
周りの選手たちは、「岡選手に勝つぞ」という思いで頑張るので、相当プレッシャーはかかると思います。でもそれすらも乗り越えていけるような雰囲気を感じます。
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<プロフィール>
谷川翔さん
体操選手 2022年世界選手権 日本代表
谷川航選手の弟
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