得意の“リンクル”でつかんだ夢の舞台

清岡選手の持ち味はスピードのあるタックルや高い身体能力、そして終盤でも衰えないスタミナを生かした“超攻撃的”ともいえるほど攻め続けるレスリングです。

中でも得意とするのが相手の足の間に自分の頭を入れて相手を回転させる“リンクル”という技です。

1回決まってしまえば、相手が簡単には抜け出せないこともあり、何度も回転させることで大量ポイントがねらえる技です。

清岡選手は、この1年間だけで3回の優勝をこの技を軸に決めました。

全日本選手権(2023年)

その1つが、東京大会の金メダリスト・乙黒拓斗選手を破った去年の全日本選手権。

準決勝で乙黒選手を倒したあとの決勝を”リンクル”で決めると「一番気持ちよかった」と振り返り、パリオリンピック予選への出場権を勝ち取りました。

勝てばパリオリンピック出場が決まることし4月のアジア予選でも、最後は“リンクル”でポイントを重ねて勝利。オリンピック前、最後の大会となったことし6月の国際大会では決勝でいきなり8ポイントを追いかける展開となりましたが、“リンクル”でポイントを重ねて同点に追いつき、その後の逆転勝利につなげました。

清岡幸大郎 選手
「初見だったら絶対に相手の体を返せる自信がある。試合でかかった回数も断トツで多い技」

こう述べて、絶大な自信をのぞかせていました。

レスリングは“超攻撃的”

迎えた初めてのオリンピック。

「とにかく自分から攻撃して見ていてどきどきするようなレスリングに注目してほしい」ということばどおり、初めての大舞台でも持ち味を貫きました。

1回戦は得意の素早いタックルなどから得点を重ね、わずか3分余りでテクニカルスペリオリティでの勝利。

準々決勝でも去年の世界選手権で準優勝したプエルトリコの選手を相手に最大6ポイントのリードを奪います。4ポイント差で迎えた後半も守りに入ることなく攻め続け、最後は2ポイント差まで迫られましたが、宙返りで相手の技をかわそうとするなど“攻撃的な守備”でも見せ場をつくりました。

最後は得意の“リンクル”で

決勝の舞台で試合を決めたのが、清岡選手が最も得意とする“リンクル”でした。

1ポイントを先制されたあと、前半残り30秒ほどのところで相手の背後を取って、まずは逆転に成功すると、すかさず相手の足の間に頭を入れて得意技の体勢に入りました。

必死に抜け出そうとする相手をそのまま回転させること4回。磨いてきた“リンクル”で決勝の大舞台も制しました。

「オリンピックじゃないとレスリングを目にする機会がなかなかないと思うので、レスリングのおもしろさを伝えることができたのかな」

充実感をにじませていた清岡選手。23歳で挑んだ初めての舞台で“超攻撃的”なレスリングを徹底し、金メダルをつかみ取りました。

【NHKニュース】パリオリンピック2024

【詳しくはこちら】レスリング 清岡幸大郎が金メダル 男子フリー65キロ級 五輪

清岡選手のインタビューなどを掲載しています

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