(19日、第106回全国高校野球選手権大会準々決勝 青森山田1―0滋賀学園)

 せっかくたどり着いた夢の舞台だから楽しまなきゃ――。そんな心持ちで甲子園のグラウンドに立ち、打撃が好調だった左翼手の仲田隆玖(りゅうく)選手(3年)が、2度のファインプレーで投手をもり立てた。

 四回、相手の先頭打者のヒット性の当たりを、飛び込んで好捕してガッツポーズ。五回にも先頭打者の強い打球をジャンプして捕り、好投する2年生の土田悠貴投手を助けた。

 沖縄県北谷町出身。甲子園は小さいころからの夢だったから、緊張もなく、楽しくて楽しくて仕方がなかった。つなぎ役にも徹し、好調な打撃を維持してきた。山口達也監督も「大会男」と評していた。

 ただ、この日は好機で一本が出なかった。「守備では自分たちが徹底してきたことができたけど、打者としては力で負けた。大学で自分を磨きたい」。目を赤くし、次のステージでの活躍を誓った。(仲程雄平)

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