(23日、第154回九州地区高校野球大会1回戦 熊本国府2―1長崎日大、延長11回タイブレーク)
今春の選抜初戦、近江(滋賀)との試合で好救援を見せて甲子園初勝利を呼び込んだ熊本国府の左腕・植田凰暉(ごうき)(3年)が、この日は打撃でもヒーローになった。
タイブレークの延長十一回、2死満塁で左打席に立つ。マウンドにはU18日本代表候補の長崎日大・西尾海純(みいと)がいる。前の2打席は三振。「直球の伸びも変化球もすごかった」
カウント1―2と追い込まれ、延長十二回に突入かと思われた4球目。外角直球を捉えるとライナーで三遊間をきれいに抜いた。「たまたま当たっただけです」と謙遜するが、自身初のサヨナラ打となった。
もちろん、投げても安定感は抜群。六回から2番手で登板し、3安打無失点に抑えた。くるっと背中を打者に見せて横手から投げる「トルネード投法」は左打者にはやっかいだ。昨秋の九州大会準決勝では強打の神村学園(鹿児島)を抑え込み、初優勝につなげた。甲子園の経験も重なり、「強豪相手でもコーナーを丁寧につけば打ち取れるのが分かった」と自信を深めている。
夏への課題は球速アップ。いまはほとんど120キロ台だが、135キロくらいは出せるようになりたいという。低反発バットになって、内野手と外野手の間にポトリと落ちるヒットが目立つ。「球威で押して、それが内野フライで済むようになれば」と話した。(酒瀬川亮介)
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