日本女子中長距離のエース・田中希実(25、New Balance)が29日、ランニングとカルチャーを融合させたランニングイベント「TOKYO ROKUTAI FES 2024」の1マイルイベントに登場した。

田中が参加した「TOKYO 1MILE」イベントは国内初となるWA公認マイルロードレース。トップアスリートから市民ランナーまで幅広い年齢層が1.6kmのコースを駆け抜けた。

小中学生の部では、田中もランナーの一人としてレースに参加。
集団真ん中からスタートし、「頑張る子供たちを見て私も何かできることはなにかを考えて、ペースメーカーほどではないけど伴走をすることで勇気を与えたかった」と一緒に走る小中学生のレースを引っ張った。

6分10秒台でフィニッシュすると、すぐにまた走ってコースを戻り、後方の選手の応援に。

笑顔で「頑張れ、あとちょっと!」と声をかけながら伴走。「1人じゃないよということを伝えるため、ゴールまで1人でも多くの子どもたちと一緒に走ってあげたい」と話し、走る楽しさを子どもたちに伝えた。

レース後、田中は「自然と笑顔が出て、すごく元気をもらえた。参加された皆さんもすごく楽しそうだったので、今後見る人も走る人の層もさらに増やしていって、海外のロードマイルレースのように楽しい・面白いというイメージを国内にも定着させていきたい」と振り返り、「アメリカなどの子どもたちはこういったフェスのような形から陸上競技に入っていっていると思うので、同じような入り方をしたら今後世界により近いメンタリティで向かっていける子が増えるんじゃないかなと見ていて感じた」と若手ランナーへの期待を語った。

さらに、公認の部では自身初の解説に挑戦。
女子公認の部には、田中が東京世界陸上参加標準記録を突破したダイヤモンドリーグ・チューリッヒ大会の5000mで同レースに出場していたマーガレット アキドル(22、コモディイイダ)も登場。

レース前には「ほとんど(私と)力は変わらないし、1500mでも4分くらいで走れるので、ロードマイルになった時にどうなるか楽しみ」と話した。

解説中にはダイヤモンドリーグ チューリッヒ大会での裏話も。大会前日の9月4日が25歳の誕生日だった田中はアキドルとは同部屋だったそうで、「おめでとう」と自身が食べていたぶどうを誕生日祝いとして分けてくれたという裏話を話した。

自身の経験談も交えながら行った初の解説に関しては「慣れない部分で難しかった。自分のことはいくらでも分析できるけど他の選手のことになるとわからない部分が多くてちゃんとした解説ができたかは不安だけど、なんとか上手くできてよかった」と笑顔だった。

表彰式では「田中希実選手のような選手になりたい」と話すランナーも。「とても嬉しい言葉をありがとうございます。私には想像がつかない未来の陸上界に向かっている子たちだと思うので、今の私にできることでその子たちに何かしらのきっかけを与えられているのであれば嬉しい」と話した。

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