(4日、プロ野球 福岡ソフトバンクホークス1―0千葉ロッテマリーンズ)

 ソフトバンクに「消化試合」は存在しない。9月23日のオリックス戦でリーグ優勝を決めた時点で残りは8試合。小久保監督は言った。

 「クライマックスシリーズへ向けての作戦、戦術に切り替えていく」

 若手を起用し、競争をつくりだして、頂点に立っても手綱は緩めない。新たなサバイバルレースの幕開けだった。

 レギュラーシーズン最終戦となったこの日は、大津が先発した。2年目の今季は中継ぎから先発に転向し、前半戦はローテーションを支えたが、夏場に失速。6月29日の日本ハム戦を最後に勝ち星からも見放された。

 「もうラストと思って、出せるものは出す」。最速150キロの直球を主体に押した。チェンジアップなどで緩急をつけ、四回1死までパーフェクト。そこから四球、右前安打で1死一、二塁のピンチを招いたが、後続を打ち取った。

 9月29日の日本ハム戦では育成出身の前田純がプロ初登板、初先発で初勝利をつかんだ。今季は2年目の松本晴が2勝を挙げるなど、若手の争いも激しさを増す。「絶対に負けたくない」。そう話していた大津は6回を1安打、無失点。約3カ月ぶりの7勝目を手にした。

 チームは今季8度目の5連勝。優勝後の8試合を6勝2敗と勝ち越して91勝に到達した。小久保監督は新人監督としてシーズン最多勝利となった。「野球は投手だと感じる1年だった。最高の準備をしてCSに臨みたい」。目標は4年ぶりの日本一。まだ競争は続く。(鷹見正之)

 大津(ソ) 「シーズン最後の登板で、チームの最終戦でもあり、何とかいい形で締めくくれるようにと思って投げた。いい投球ができ、本当にうれしい」

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