東京 新宿区で開かれた有識者会議の会合には、座長を務める日本商工会議所の小林健会頭や、自治体の関係者、それに元オリンピック選手など、オンラインを含めおよそ30人の委員が出席しました。
非公開で行われた会合では、全国知事会から出されていた見直しの考え方や、前回の会合での意見を踏まえて議論のたたき台が示され、トップアスリートが出場しやすい大会の実現や、持ち回り開催を維持しつつ一部競技の開催場所の固定化やブロック開催なども検討すること、それに大会運営や開・閉会式、施設整備のあり方を見直して開催地の財政負担を軽減することといったポイントについて、議論が交わされたということです。
そして、トップアスリートの参加の促進や、開催地の負担軽減のための合理化、毎年の開催の維持については多くの委員の間でおおむね意見が一致した一方で、大会のコンセプトや参加者の規模などについてはさまざまな意見が出されたということです。
有識者会議は今後、各競技団体との意見交換も行ったうえで、2025年3月に開く3回目の会合で意見を取りまとめることにしています。
全国知事会の見直しの考え 9つのポイント
国スポ=国民スポーツ大会をめぐって全国知事会は2024年8月、都道府県の負担軽減や大会の魅力向上など見直しの考え方を示し、有識者会議で議論されています。
考え方では、「人口減少や地方財政のひっ迫、競技ごとに行われるほかの全国大会の充実など取り巻く環境は大きく変化している」として、9つの見直しのポイントをあげています。
▽「国スポの開催意義」では、国スポがトップ選手も集まる“全国民的なスポーツの祭典”として注目され、アスリートの活躍や育成に資する場になるよう、意義を見直すことを求めています。
▽「開催頻度」については簡素化・効率化を図ったうえで、毎年の開催を維持するとしています。
▽「大会の開催時期・開催期間」では、参加者の宿泊施設や輸送手段の確保などを考慮して、時期や期間の弾力化を図ることを求めています。
▽「大会形式および総合成績・得点方法」では、総合成績を都道府県対抗で競う大会のあり方を再考し、特に顕著な成績をあげた個人や団体を特別に表彰することなどの検討を求めています。
▽「総合開・閉会式」では、およそ3万人を収容できる施設での開催とする基準を見直し、大幅に簡素化するよう見直しを求めています。
▽「開催地・競技施設」では、都道府県の持ち回りは維持したうえで、すべての実施競技で競技団体が求める基準を満たす施設の整備が困難なことから、複数の都道府県での開催や開催場所の固定化などを可能とするよう求めています。
▽「競技会・参加者」では、時代の変化に対応して実施競技の見直しを行い、選手や監督、役員の参加人数を適正な規模とするとしています。
▽「財政負担の見直し」では、施設整備費などの経費の大部分を都道府県が負担していることから、大会の簡素化・効率化を図ったうえで、式典・競技会開催費の2分の1以上を国と日本スポーツ協会で負担することなどを求めています。
▽「2巡目への適応・継続的な検証」では、現在行われている2巡目の開催でも見直し内容を実現できるよう配慮することや、今後の開催実績を踏まえて検証や見直しを継続することを求めています。
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